佐渡ツー&大池憩いの森キャンプ
「佐渡ツー&大池憩いの森キャンプ」
2019.11.13-14
キャンプ友との佐渡の旅に行って来た記事であります!
11月13日。待ちに待ったキャンプ盟友との佐渡ツー二人旅の日を迎えました。午前3時に自宅を出発。岐阜から中央道を北上すること5時間弱。8時半に直江津港の佐渡汽船フェリーターミナルに到着です。
しかし受付の乗船チケット売り場で予約番号を伝えると係りの方から予想していなかった言葉が…。なんと翌日14日のフェリーが欠航になる見込みが強いとのこと。
ここでいきなり予定が狂ってしまいました。悪天候予報でフェリーが欠航することがよくあるとは聞いていましたが…まさか今日そうなってしまうとは。しかも直江津ー小木線は11月15日で今シーズン運航は終了。つまりこのまま出港すれば最悪の場合、小木港から帰ってこれないことになる。15日以降運航が継続しているのは新潟ー両津線のみ。いずれにしても明日14日の悪天候で小木も両津も船は動かないのであれば計画自体を見直すしかないようです。
当初は松ヶ崎ヒストリーパークで一泊予定でしたが今回は日帰りで小佐渡(佐渡島の下半分)南岸を走って姫崎灯台を目指すツーリングに急遽予定を変更しました。同行は当ブログご愛読の方にはお馴染み、龍太郎君です。
フェリー往復で8千円弱。レンタルバイク6時間で7千円。たった6時間の佐渡滞在、日帰り小木ー姫崎ツーリングは1万5千しますが滅多に行く機会がない佐渡に今回行かないという選択肢はありませんでした。
一泊二日佐渡周遊キャンプ泊ツーリングは諦めますがいつかリベンジを果たすべく今回は二十年ぶりのバイクツーリングが楽しめるだけでも御の字かなと気持ちを入れ替えていざ出港です。
一泊装備だったザックの中身を入れ替えてだいぶ身軽になりました。黒いドライバックはカメラ用のハクバのSサイズです。山でも愛用しています。
どっしりと鎮座する妙高と火打にさらば!
また会おう直江津!(...午後6時過ぎに戻って来ますが)
バカでかい船の割りにかなりのスピードです。波も高くてけっこう揺れます。
海なし(長野)県民は大海原を激写。
いやらしい大揺れを延々とジャブのように喰らい続けて若干船酔い気味の僕らはついに佐渡へ足を踏み入れました。
そしてそこで待っていたものは…。
!!!
あれはっ!!
キタぁぁぁぁぁーーーーーー(=゚ω゚)ノ!
カブであります!110ccの。渋い!
日頃これに乗ってる人からしたら何をそんなに興奮しているのかと思うでしょうが..。
20年ぶりの二輪に乗れるだけでも感激です。最後にホンダX4に乗って以来、大型二輪免許が完全にペーパー化していた僕にとってこれほど楽しいことはないわけで…。操作方法もよくわからないまま嬉しさ余って勢いで出発!
まずは当初キャンプ予定地だった松ヶ崎ヒストリーパークを目指して小佐渡南岸をひた走りました。爽快すぎて感動。完全に忘れ去っていたこの感じ。たかが50キロの速度が原付に毛が生えたような排気量の小型バイクではまるで全力疾走のようなエキゾースト音にテンションMAX。ジェットタイプのヘルメットからは容赦なく冷たい風が顔をすり抜けていきます。あまりの楽しさに我を忘れて走っていたら小木港を出て50分もしないうちに松ヶ崎に到着しました。
アドレス110の龍太郎君は自前のフルフェイス。ARAIだとかSHONANだとか…色々懐かしい!19歳の頃、バイクに興味をもつきっかけは下宿先の近くのアパートに駐輪していたヤマハのXJR400に一目惚れしたことでした。その後XJR1200にも惚れ込み、いよいよバイクが欲しくなったあの頃。金もなかったので教習所には行かず幕張運転免許センターでやってる一発試験に挑戦。中型が6回目、大型が5回目でそれぞれ合格。当時一回の試験料が4000円くらいだったと記憶してます。だから諸費用もろもろ込みで5万ちょっとで苦労して手に入れた免許でした。社会人になって2年くらいはX4で千葉市から湾岸道路を通って新木場まで通勤していましたがその後に車の免許をとって以来、バイクは売ってしまったきりでした。
にしてもホントに佐渡に来たんだなぁ。そして松ヶ崎の海はほんとに綺麗です。こんな美しい海を目の前にキャンプできるなんて素晴らしい場所ですね。13世紀にここへ流された順徳天皇、ほんとは佐渡ライフをエンジョイしてたりして…。
そして僕は次回はきっとここでキャンプすると誓って静かに打ち寄せる波を見つめていました。
松ヶ崎ヒストリーパークを管理してみえる総代さんに前日連絡してここで一泊予定である旨を伝えていました。佐渡観光協会のHPではここの利用期間は10月末日までとなっていたので確認しておきたかったわけです。総代さんから利用許可を得ていただけに今回キャンプできないのはやっぱり残念。こんだけ良いところはそうそうないですね。
ご覧の通り薪もたくさん。それに無料キャンプ地にありがちな直火跡も皆無でした。マナーも素晴らしい場所のようです。
ここは天国か。トイレもウォシュレットでした。
予想を遥かに上回る優良キャンプ地に出会えた感動とそこに今回泊まれない儚さに少々ナーバスな思いを引き連れてここを後にしました。次に目指したのは小佐渡南岸にある二つ目のの無料キャンプ場赤亀風島の野営場です。果たしてどんなところなのか。
到着です。一発目にさきほどの松ヶ崎を見てしまうとここはイマイチに思えてしまう。でも目の前はやはり海で最高のロケーションに間違いありません。自転車で佐渡を回るなら距離的にも松ヶ崎ー赤亀ー姫埼ー両津ー二つ亀といいテンポで楽しめるんじゃないでしょうか。時間の有り余る学生時代にそんなことやっておけばよかった。
赤亀の海も静かで美しい…。
では今回の小佐渡ツーリングの最終目的地、姫埼灯台を目指して出発です。海釣りは経験も乏しくてよくわかりませんがあのふ頭の先で色々と釣れるんでしょうね。それこそ釣り人に佐渡はもってこいな島だとか。無料キャンプ場に幕を張ってひたすら釣りってのもいいかも。
着きました!
灯台の一歩手前にある「ホテル姫崎」…。
廃墟フェチならこういうのに萌えるんでしょうか。
ホテル姫崎のちょっと先にありました。姫埼灯台です。
白亜の灯台がちらっと見えています。平日の昼間のためか先客はいないようです。
そう。実はここ姫埼灯台は「世界灯台100選」に選ばれているんです。日本でそれに該当するのはたったの5つ。千葉県銚子市にある犬吠埼灯台、静岡県下田市にある神子元島灯台、島根県松江市にある美保関灯台、島根県出雲市にある出雲日御碕燈台、そしてここ佐渡にある姫崎灯台の5つ。姫崎は段々畑状になっているこじんまりとした野営場とその目の前に広がる美しい海が魅力的だなと感じました。
なんだか可愛らしい灯台です。空に溶け込んでみえます。
灯台前の小道を進んでいくと…
出ました!段々野営場。そして海!
佐渡って独特のゆっくりとした時間の流れ方をしているなって思ったんですが…
何というか、姫崎はさらにその時間が止まっているぐらいゆったりとしているんですよね。いつまでも居たくなる場所です。
ここに着いて真っ先に昼寝です。気持ち良すぎ。
あ、いかんいかん。午後4時には小木港に戻らなきゃいけないんだった。思い出して昼飯の用意。
インスタントラーメンのお湯を沸かし始めたと同時に再び寝転ぶ。海と空の抜けるような景色が最高です。
ここに泊まるのもありだな。とか思いながらもぞもぞと夢見心地になっていると「やっちまった」と隣りから失笑が。
龍太郎君… トランギアの火が珈琲パックに燃え移るという面白い状況になっています。
水没して鎮火。もちろん爆笑しつつ激写させて頂きます。
湯面を無数に漂う挽豆の残骸。彼は戦死したパックをやおら抓むと
黙って啜っておられる。…さすがです。
午後2時。遅めの昼メシになりました。百円のチャルメラが海をバックに最高のランチと化しております。
メンマ特盛でどうぞ。
この後2時間で小木港に戻るルートの打ち合わせ。最初何か字が逆さまだなと思い反対にひっくり返して地図を見ていたことに気づきました。他所者からしたら佐渡島ってZ型してて上下逆さまにしてもあまり見栄えが変わらないんですよね。
毎時10分間しか通れない赤亀手前の工事道路規制時間にハマりそうなのでこのまま両津方面に回ってから峠越えをして戻ることに。名残惜しいけど姫崎にはまたいつか来ます。
午後2時を半刻ほど過ぎてそろそろほんとに帰路に向かわないといけません。と、その前に食後の珈琲を頂きます。
悠然とした海を眺めつつ最高の一杯を啜ります。
そして狭い姫崎野営場の端から端までを歩き
先端の海を眺め
姫崎灯台に別れを告げてここを後にしました。
入口案内図。なんとあの朱鷺さまがやってくる場所だったとは。
海を挟んであちら側に見えるのは佐渡の北半分、大佐渡です。あの沿岸をひた走って二つ亀に行きたかった!でも観光協会の方の話によると11月の佐渡北岸は北風がかなり強くてキャンプになるかどうか..。とのこと。また時期を見て来ようと思います。しっかしカブはあぜ道がよく似合うなぁ。
うっすら紅葉している峠を激走。
懐かしいこの感じ。
少し標高を上げるとなかなか綺麗な雰囲気に。思わず時間もないのに下りてカブ撮影。海あり山あり。佐渡って素晴らしい。
もう小木港まであと10分のところまで戻って参りました。ここで最後のカブ撮影。
いやぁ楽しかった!
なんか20代の頃を思い出すなぁ。こんなことばっかやっていたような。千葉から岩手まで日帰りで往復とか無茶やってましたわ。
まだまだ居たかった佐渡に別れを告げて帰りの船に乗船しました。
あぁ。さらば佐渡よ。最高に絶景だったぜ。
あかねちゃんは午後6時10分に直江津に帰港。ぎっしりと思い出を頂戴いたしました。感謝!またね!
港を出た我々は直江津の街で買い出しに出かけ、上越市の無料キャンプ場大池憩の森第3キャンプ場へと向かいました。到着したのは午後7時過ぎ。設営を済ませて佐渡ツーおツーかれ様会のはじまりはじまり!
かんぱ~い!
このキリンのとれたてホップ、毎年楽しみにしてるんですよね。
ここ初めて来ましたが最高にいいところじゃないですか。
月が明るく照らしてくれます。
ハマチでしっぽりと。ここは日本酒だったかな。
今夜はB6くんです。反射板のおかげでかなり暖かい。
やっぱキャンプは最高ですなぁ。
もうすでに3時間近く焚き火っぱなし。
ここで炭投入してパワーアップ。
具材を入れて直火で温めます。
しばらく待って
うまそうな匂いしかしないぜ。
っただきまーす!!
お裾分け。
もう刺身は終わってからの今更地酒。
でもこれまじ美味かった。
0時を回りまして
これが燃え尽きたら寝よう。
そして朝が来た!
朝7時前。ぽつぽつとテントを叩く雨音。
とりあえず湯を沸かします。
おおけっこう降ってるなぁ。
目覚めの珈琲。
外に出てみて目の前に紅葉してる楓があることを初めて知る。
雨けっこう好きなんです。
今朝は米炊きます。
ぐつぐつ。
おかずに上州モツ。
ふっくらと炊き上がりました。
僕にはこういうシンプル朝食が一番旨いんです。
ソーセージも焼きまっせ。
うまそ。
そろそろ撤収します。
お世話になりました!
帰りがけにここ寄って
駒ヶ根で下りてからの御座松で晩飯だけ食べに来ました。
ラーメン食って任務完了です!
「佐渡ツー&大池憩いの森キャンプ」~完~
佐渡ツーパッキング
明日から一泊二日の日程で佐渡島へ行って参ります。船で渡り、島のレンタルバイクで半周の予定です。今回はそのパッキングの記事です。
キャンティーンに山フライパン、リッド、スキットルにはオリーブ油。箸にまな板。これに220サイズのスノピマグカップとモンベルのチタンシェラカップが今回のカトラリー類です。
熱源です。白飯を炊く用に失敗のない自動炊飯の固形燃料。湯沸かしにアルスト。それに寒かったときのためにホットキャンディ。
ランタンはUCO。今回は軽量化のため蝋燭使います。焚き火台は炭火料理もやるつもりなのでB6くんを持って行きます。
テーブルはお馴染み穴開きのSOTOのフィールドホッパーです。11月の佐渡は北風が強いとのことで風防も持って行きます。グローブはいつも使ってるホームセンターの牛革製の安物です。
タープ用の灯りにたねほおずきとテントの灯り兼モバイルバッテリーのルーメナー7。
チタンペグと軽くて丈夫なユニフレームのジュラルミン製パワーペグ。驚異的な軽さで一本17g。ほとんどのテン場できちんと機能する頼もしいペグです。いつも山で使っています。ガシガシと石ころで叩いてもヘッドが曲がることはありません。十本持って行っても170g。軽い!
今回は地べたスタイルでいきます。サーマレストは座布団代わり。茶色の長い袋はテント。テントはルクセのシルヘキサピーク。テントの右脇にある緑の袋は山で愛用している中華エアマットです。赤い袋はモンベルのダウンハガー#3とダウンジャケットが入ってます。インナーシュラフとシュラフカバーもモンベルのものを持って行きます。
中央の青い棒状の袋は傘です。これも山用でめちゃ軽い。なんと80g。モンベルの同様の傘でさえ100g以上あります。キャンプ場でトイレに行ったり近所に買い物行ったりするのに重宝します。
これにバイクの雨具とファーストエイド、保険証のコピーやら地図。以上です。
買ったきり一度も使う機会がなかったルクセもようやく出番です。
日帰り登山用ザックに30リットルのドライバックへパッキングして準備完了です!ずっと行ってみたかった佐渡へやっと行けます。バイクは二十代の頃にカワサキのZZR、最後はホンダのX4に乗っていました。実に二十年ぶりの二輪、楽しみです!
自分のテントやタープ、山岳テントの紹介
自分の今までやってきたキャンプを振り返ってみました。自己満記事の他人様にとっては正直どうでもいい内容です。あしからず…。
愛用テントランキング
第5位サーカスtc
二年から三年前によく使っていたサーカスtc 。それまでピルツ7ばかり使ってきた僕にとってテント内で普通に立てるという感動があったのを思い出します。娘や友人と二人で使うのに重宝しましたが一人で使うには少し大き過ぎました。サイズ感てのは人それぞれだろうから一概に言えませんが僕には贅沢過ぎました。もう譲ってしまって手元にはありません。。いずれにせよ良い幕です。
あまりの居心地の良さに幕内にひきこもってしまいます。
秋冬は薪ストーブ
林間サイトでもよく似合う。
ワイルドなキャンプ場にもよく似合う
サーカスtcの動画
第4位 Hoz(Ogawa)
ダブルウォールの高機能ドーム型テントです。ルーフウインドーが付いていてテント内から空の様子を伺う事ができます。設置面積がピルツ7と同じくらいで広くて快適。ダブルドアで夏はメッシュにして風を通すと心地良い。とても居心地の良いテントです。
岩倉ダムにて
草原サイトに一番映えるテントかな
内山牧場にて
水没しても中は快適
Hozの動画
第3位ピルツ7ST
初めて買ったテントがピルツ7STでした。そして記念すべき初張りがこの写真。懐かしいな。インナーなしでずっと使ってます。広さもソロにちょうどいい。フジカストーブを入れて冬キャンも楽しみました。今でもたまに使ってます。
陣馬形山にて
五箇山相倉野営場にて
千代田湖にて
川湯にて
回数で言ったら付き合いが一番長い分、一番使ってきたテントです。
ピルツ7の動画
solo camping #4 [八ヶ岳秘湯の旅&千代田湖でソロキャンプ]
第2位 ポーランドポンチョ
海外ソロキャンパーの動画にはまっていた頃に購入して以来何度も使っている軍幕です。はっきり言って他のどのテントよりも快適性は劣りますが何といってもこの武骨な雰囲気は最高です。この幕でキャンプするとモーラナイフや手斧、ファイアボックスなどの男気溢れる道具たちが生き生きとして見えます。
一ノ瀬高原キャンプ場にて
雪の中で武骨に野営
雨の中で野営
薪ストを突っ込んで雪中野営
墓の木自然公園で雪中キャンプ
軍幕の動画
solo camping #10 [初めての年越し雪中ポンチョ泊]
第1位 パンダtc
個人的にはサーカスtc のソロ版な感じのイメージです。ほんとに丁度良いサイズ。フジカストーブを入れてサーカスtc だと広過ぎてなかなか暖まらないんだけどパンダはすぐに暖まります。四角いから設営も簡単。ポールは5センチほどカットして隙間を減らしました。後付けスカートは見た目がちょっと好きじゃないのでポールを切りました。冬はフジカちゃんをインストールして背中に暖かさを感じながら前で焚き火を楽しみます。
タカソメにて
ひるがの高原にて
千代田湖にて
御座松で龍太郎くんとダブルパンダ
秋の夜長にパンダ泊
山伏にて
黄葉とパンダtc
墓の木でパンダ泊
ここ最近一番使ってるキャンプ幕です
お気に入りのタープ
タープは大小含めてたぶん10数枚持っていますがその中でもよく使っているものを二つあげてみようかと思います。
その①ムササビウィング
安心感と居心地の良さ抜群。tc生地で焚き火もOK。シルエットも良し。ほんとによく使っているタープです。
ときにはムササビでタープ 泊もします。
木津川のほとりにて
標高1500mにて
荒地にムササビ
その②ddtarp
地面の傾斜に左右されることなくどこでも寝床を作ることができるハンモック泊って素晴らしい。座っても寝転がっても快適。
5月の平湯にて
ロープワークの工夫で自由にサイトを作る
墓の木にてハンモック泊
ハンモック泊の動画
Solo Camping #12 [墓の木でDDハンモック泊]
スモールステルスでまったり
スモールステルスで雪中野営
これは楽しかった
スモールステルスの動画
アディロンダック張りで
11月の平湯にて
愛用の山岳テント
アライテントのトレックライズ1
20キロ近いザックを背負って何十キロも歩いて登るテント泊登山。2000mを超える山岳地帯で安心して眠れるテントが自分にとってはこれです。色んな山で使ってきました。山の相棒です。
三俣山荘にて
燕岳にて
標高2600mの雪の上で
トレッキングポールはつっかえ棒用。これで煮炊きスペースが確保できます。歩く際はほぼ使いません。
涸沢にて
黒部五郎カールにて
黒部五郎小屋にて
雲ノ平にて
以上です。
今シーズンラストの平湯キャンプ
17日で今シーズンの営業を終える平湯キャンプ場。5月に行って以来、今年二度目の平湯キャンプに出かけて参りました。
日没一時間前に到着しました。こういうシチュエーションって結構焦ります。急がないと日が暮れる。
今回もタープ泊です。確か5月の平湯キャンプでもddタープにハンモックだったかな。今年は何かと出番の多いddタープです。
あまりに忙しくて設営後の撮影を忘れてしまいました。案の定真っ暗ですがとりあえず宴の開始に漕ぎ着けて良かった。
タープ泊の時はピコグリルと決めています。持ってる焚火台の中でも雰囲気的に一番野営感があるんですよ。今夜は久しぶりに飯盒炊飯します。
ご飯を蒸らしている間に麻婆豆腐を作ります。
出来上がり!
お米の方はどうかな。久しぶりなんでドキドキです。
ちょっとだけ早かったかな。でも腹減ったんでもう食べちゃお。
何合炊いたのかも水量も適当過ぎて不明です。ちょっと多かったことは間違いありません。
やったー!麻婆丼だぜ。
あんだけ大盛りご飯食べちゃったのでもう腹一杯。鍋の食材とか準備してきたけどパス。あとは枝豆で酒呑みつつ焚き火タイムです。
この火をいじる夜更かしが最高なんですよね。
ソロキャンプ=焚き火を存分に楽しむ行為、と言っても過言ではない…と自負しております。
おやすみなさい💤
朝。シュラフ結露対策で気休めの屋根折りの効果なのか風もなく思ったよりも寒くなかったです。
早朝平湯恒例の朝風呂へ向かいます。三度か。そりゃ寒くないわけだ。
やって参りました。今シーズン三度目の神様の湯。
どっこい今回はかなりヌルい。
体感で三十八度くらいかな。掛け流しだから日によって変わるのは仕方ない。寒いの我慢、気合いで湯船から上がりました。
あー寒かった…。サイトに戻って焚き火で暖まります。
この季節、サイトは落ち葉に覆われてます。
見渡せば黄葉も終盤の平湯。
では湯を沸かし…
湯を注ぎ…
朝の一杯。最高にうまし。焚き火でお湯を沸かすと何割か増しで旨く感じる不思議。炎か煙りに何か魔法でもかけられてる気がします。
お日様が顔を出して一気にあったかい。
キャンプの朝はお日様の有り難さが身に染みる。
日が出るまで薄暗かったのに。ランタンもお役御免なお日様の明るさ。
やっぱり焚き火っしょ。
5m×8mくらいの狭小サイトだけどソロには丁度いい。
お日様パワーで乾かします。
朝飯作ります。
白菜投入。
きのこ投入。
炒めて
茹でて
麺投入。
適当ちゃんぽんの完成!
4日前に熊出没情報な場内。でも秋は冬眠前で彼らも忙しいんだろうな。
朝ちゃんぽん。これは旨かった!
あとはまったりと撤収時間ギリギリまで焚き火します。
屋根下のロープにグランドシート巻き付けて…
垂らし…
なんちゃってフルクローズ版(隙間だらけ)のアディロンダック張り。とかして遊んでみたり。
来年は笠ヶ岳行くぜ。
柿剥いてます。
酷い剥き方です。
ポッキー添えてもう一杯、珈琲。
ちょっとずつ細かいもの片付けつつ…
焚き火しつつ…名残惜しいけど撤収します。今年も楽しませてもらいました。ありがとう、平湯!
来年も必ず来ます。
完
秋の墓の木でソロキャンプ
まだ雪の中だった1月末に来て以来、9か月ぶりの墓ノ木自然公園。
当然すっかり雪はなく過ごしやすい秋の空の下。
何度来ても本当に癒される。
18cm径で作ってもらったメタルアートフライパンで朝ごはんを作る。
夜はローストビーフに挑戦。
立山は美味い!
時が経つのも忘れてのんびりと。
良い夜です。
橋の向こうの西の空に日が沈む。
バックパックに野営道具とデイツの80。
富山はすっかり秋景色。
Solo Camping #12 [秋の墓の木でソロキャンプ]
呑んだくれ涸沢カール旅
「絶景山岳野営旅」 第4弾 〜紅葉の涸沢カール~
絶景の中にテントを張って呑んだくれる楽しさを一度味わってしまうともうどツボです。紅葉真っ盛りの時期の土日ともなれば千張りを超えるテントの花が咲くらしい超有名野営スポットに激混み覚悟で行って参りました!
午後4時に平湯の「あかんだな駐車場」に到着。狙い通り日帰り組が帰った後のようで乗り場近くの駐車場にも空きがありました。最終一本手前の上高地行きバスに乗り込みました。
今回は2泊3日の予定で初日は上高地バスターミナルからほど近い小梨平キャンプ場で前泊します。
バスに揺られること35分。
上高地に到着。対岸からアルプホルンの野太い音色が聴こえてきます。ブォーンと誰か練習しているようです。気分はハイジな世界です。
河童橋。
バスターミナルから対岸のホテル前までは観光客で溢れかえってます。日本人よりあちらの国の方々のほうが多いんじゃないか。メジャーな観光地で近年珍しくなくった光景ではありますが。
いや〜ほんとに綺麗だ。
水の色が何とも言えないです。
ターミナルからのんびり歩いて10分で小梨平キャンプ場に到着です。
おーいるいる。何語だかわからんけどワールドワイドな雰囲気になってます。
小梨平食堂。
食堂の対面で受付。キャンプ受付は午後6時までです。
日曜日の昼間の混雑を避けて夕方から前泊するにはとても良いところですね。
お風呂もありますよ。
テントで埋め尽くされている河原側とは対照的に誰もいないめっちゃ静かな林間サイト。
初日は林間キャンプと踏んでいたのでミニタープ持って来てました。林の中なら風もないのでタープ張れます。雰囲気アップ目的です。
あ、でもこれ。道中の急なゲリラ豪雨とかで雨宿りするのにちょうどいいサイズですよ。200gしかないし。低山ハイクでは必ず持ち歩いてます。ランチ場所のソロ日除スペースにジャストサイズです。ガイライン は重いやつが付いてきたのでMSRの2.4ミリのレッドラインに変えてあります。
山旅キャンプはほんと楽しいですね。ザック一つに衣食住全部詰め込んで担いで歩く。歩いた先、テントで疲れを癒す。動と静。両方あるのが良い。
今日の寝床完成です。
どんな高級ホテルよりこっちの方が好き。
お気に入りのトレッキングテーブルに麦とホップを置いてプシュっと開けちゃいます。
重いの我慢して初日は贅沢におでん。
コッヘルでおでんを温めて頂く。あぁ最幸。
上高地の静かな夜をテントの中で過ごす贅沢。
家で食べる何倍も旨いんですよ。
シメのうどん…からの
ケーちゃん!
岐阜県民はこれが大好きなのさ。
二本目のビールのおつまみに。これまた旨し。
うどんのアルミ器でそのまま作れちゃいます。
そんなこんなで上高地の夜は更けていきました。
二日目の朝。
まずは目覚めの珈琲を淹れます。
朝メシはこれ。
今日はいよいよ涸沢に向けて歩きます。
ここ小梨平から梓川沿いを明神、徳澤、横尾と歩きます。横尾からは本格的な登山道。涸沢までだいたい5時間から6時間です。
のんびりと撤収して受付棟の綺麗なトイレで身支度を済ませ...
AM4:50 小梨平出発!
AM5:30明神館に到着しました。
朝靄の向こうに明神岳。
穂高連峰のモルゲンが綺麗です。
AM6:10 徳澤通過。
AM7:00 横尾に到着。
ここに前泊して翌朝から涸沢を目指すグループが多かったです。ほとんどは小屋泊組なのでテント場の混雑に影響はないということで一安心。
ここから涸沢まで三時間弱。まだ人もまばら。
上高地バスターミナルから始発組が上がってここにたどり着くのは早くてもあと二時間弱あと。前泊して渋滞回避作戦は今のところ順調。
横尾のメインテント場。徳澤と違ってちょっとワイルドな雰囲気。
いやっほぅ。良い天気!
橋下の横尾のテン場を横目に橋を渡ります。
横尾で前泊したグループの列に追いつきました。ちらほらとテン泊組もいますね。でも今日は日月泊だからテン場は余裕あるはず。
標高を上げるにつれて段々と紅葉の具合が進んでいきます。
真夏の小池新道や岩苔小沢の道で散々頭をぶつけたダケカンバも黄葉してます。
日曜日に涸沢泊の降りてくる人の数の多さに驚きました。ここまで軽く千人以上すれ違ったと思う…。
いやぁ~ほんとにきれいだ。
あと一息!
出た!
憧れの場所の一つ涸沢に到着。
まずは涸沢ヒュッテ。
おっさんカットインで写り込んでしまったけど涸沢カールだー!
土日組も帰ってテント場は空いています。日月組はまだこれから。前泊作戦は成功です。
ここをキャンプ地とする!
このレンタルコンパネ(500円)のおかげで快適野営が約束されます。
設営完了!
うつくしい...。
輝くナナカマドのメインストリートをヒュッテに向かって歩きます。
ヒュッテで到着祝いします。
何にしよかな。
やっぱヒュッテはおでんだね。
いやぁ最幸!
涸沢ヒュッテ到着祝い。
朝からけっこう呑んじゃいました。時間もたっぷりあるのでカールを散策します。
いやぁ噂に違わぬ絶景です。
吊り尾根方面をてくてく。
涸沢槍方面をてくてく。
みんなカメラタイムを楽しんでるようです。
ではそろそろ二軒目行きます。
涸沢小屋へ。
まだお昼前なのでこちらも空いてます。
ソフトクリーム…。いや、ここはまた生とモツ煮で逝きます!
山岳呑み屋ですな。
マムートジョッキにサッポロ生ビール。青空に乾杯!
800円もしたけどうめぇ!
この景色眺めながら生ビールなんて最幸。また何杯もいっちゃいました。
テン場に戻って参りました。
テント脇に三次会の会場をこしらえました。
スキットル酒で一杯やります。
続いて缶ビール。
昼までに一体どれだけ呑んだか覚えてません。
午後は少しずつテントが増えてきました。それでも300張くらいです。
日が暮れ始めました。
夕陽は奥穂高の向こうです。
ヘリノックスにどかっと座って濃くなるダークオレンジ色の夕空を眺めながら呑む。
はぁぁ~最幸。。
これが噂の涸沢名物、テント村の灯り!
前日の三分の一でもこれだけ綺麗。大満足です。
しっかし SONYのデジタル一眼入門機 α5100でもこれだけ綺麗に撮れるもんですね。α7とかだとどうなっちゃうんだろ。すんげぇな~。
午後9時を回り一つ、また一つとテントの灯りが消えていきます。そろそろテントに戻ろうかな。
おやすみなさい。
朝5時。
昨日さすがに呑みすぎて4時には起きれませんでしたがよく眠れました。
ツマミばっかりだったので朝からガッツリ松茸ごはん。
んまい!
珈琲とデザート。このセブンのワッフルなかなかいけます。
通気孔から外の様子をチェック。薄曇りです。
涸沢でお目覚め。
しあわせ。
300張でもなかなかの壮観ですね。土日は1000張超えだったそうです。そりゃまた…凄そうですね。
そしてマイテント、今回もありがとう。
やっぱりど定番だけどトレックライズ1いいですよ。どんだけ風吹いても安心して寝れるって重要ですよね。
ちなみにマットは2980円のノーブランド品。マットの下に一回り小さくカットして二つに分割したサーマレストのパタパタマット敷いてます。断熱は大事なのでそこは安心のサーマレストですね。頭と足先分の長さ、肩幅以上の幅は不要なのでそこをハサミでチョキチョキしました。分割して大きい方をザック脇へ、小さい方をザックの中の背中側に分けて入れてあります。
今回新たに導入したのがこれ。ガス缶の脚。MSRのやつです。こういう不整地で活躍しますね。ぐらつかず、熱湯乗っけてても安心です。
この山テーブルもお気に入りです。solaのチタニウムテーブル。
とにかく軽い。スタッフザック込みで170g。
スノピのオゼンライトが本体のみの重さが270g。SOTOのフィールドホッパーが395g。いかに軽いか分かります。熱変形に強いチタン製なのでアルストを置いても大丈夫。
なによりデザインが最高です。再販するとあっという間に完売します。そしてヤフオクで倍近い値段で転売されるというやつです。あれどうにかならないですかね。ほんとに。
あとこれも大事。
僕の使ってるウィンドマスターのイグニッションは長年の酷使により馬鹿になっているのでライターで着火しています。
近所のセブンイレブンに売ってるやつですがbic のフリント式ライター。100円。どんな高地で空気薄くてもちゃんと点火します。ターボ式だと心配。やっぱりフリント式です。予備と合わせて二つ持って来てます。
SOTOのウインドマスター。100gを切る軽さで安定の火力。山ではこれに限る。一泊か二泊ならOD缶はちっちゃいやつで十分です。自分お湯沸かすことしかしないので。
SOTOって見た目がカッコいいものが多いですよね。プリムスの方が山ではメジャーですけど。
さ、気を引き締めて下山します。
帰路は徳沢園で…
生~!
最幸でした!
雲ノ平と高天原を巡る山旅 (後編)
「黒部五郎カールを歩く」
「絶景山岳野営旅」 第3弾 雲ノ平と高天原を巡る山旅 (後編)
初日に一気に雲ノ平まで歩いた疲れは一晩眠って休んでだいぶ回復しました。
テント泊装備ってのは便利なものですよね。
天候の急変や体調不良でそれ以上の行動が無理だとしても条件の良い場所さえあれば最悪の場合どこでも我が家にすることができる。非常手段、いわゆるビバークっていうやつですか。それができる。ザックに衣食住すべてを詰め込んで歩くのは大変だけどそこが楽しかったりもするんです。ほんと重いけど。
テントについて以前こんな話を聞いたことがあります。五竜岳のテント場は稜線にあって強風がつきものですがあるとき夜半からかなりの風雨になってテント泊者は小屋に避難しました。夜が明けてテント場に戻ってみると大半のテントが潰れたりひしゃげたりしていた中でモンベルのステラリッジとアライのトレックライズやエアライズだけがダメージなくそのまま立っていたそうです。やっぱり国産メーカーのテントは日本の山によく対応して作られていることを知った話でした。
強風が予想されるときのテントの張り方としてガイロープをポールの交差する点で結びテントを上から抑えるようにして四隅の大きめの石か岩に巻き付けて固定する方法があります。めったにやらない手段ですが参考までに..。
テントの外を覗くともう出発して行く人たちの姿が。気をつけて行ってらっしゃい!
測ってみたら外の気温は4度でテントの中は7度です。標高の高い山の朝は八月であっても冷えます。標高2500m前後でテント泊するようになって初めてトレックライズ1の性能の高さを体感しました。北アルプスのテント場は何しろ標高が高いので下界の半分以下の気温です。朝方ともなれば下界の冬の気温。トレックライズは耐風性もさることながらダブルウォールの堅牢さと気密性の高さゆえに暖かいんです。20年以上のロングセラーも頷けます。どれだけ強い風が吹こうが安心して寝られるのはありがたいもんです。東レの中空糸「ファリーロ」を使った軽くて強靭な生地のテント。これからも愛用していきます。
昨日調べておいた北アルプス周辺の天気予報では明け方と夕方に雨が降るとのことでした。まだ降ってはいませんがとりあえず6時過ぎまではテントの中でのんびりしようと思います。
朝の珈琲。
雲ノ平の清水で淹れた珈琲はスッキリして格別に美味しいです。
今日も長い距離を歩きます。
珈琲を頂きながら30分間足を揉みほぐします。もし山小屋にマッサージサービスとかあったらけっこう流行ると思うのは僕だけでしょうか。
ハムでも焼いてぼちぼち朝飯にします。
と、ハムを刻んでいたらぽつぽつとテントを叩く雨音が。予報通り降ってきました。
徐々に強くなってきます。
さっき出発していった方々、暗い中の雨の木道は滑るので大丈夫だろうかなんて思って心配したり...。現在朝4時を回ったところです。夜明けまであと1時間半ほど。早めに雨が上がることを願います。
じゅわ~。いい匂いがしてきました。
こういうの食べると活力出ます。
あ、そうそう今回の2泊山旅でも持参したのはちっちゃい方のOD缶です。
そもそも料理しないのと、意識的にガスを節約してます。
たとえば棒ラーメンだったら無駄にお湯を沸騰させずに湯泡がぽこぽこ言う前に火を止めて乾麺を入れて5分か6分そのまま待っていれば同じように美味しく食べれたり、珈琲も60度くらいまでの湯加減で火を止めてガスを節約してます。
僕の場合、2泊3日の7食か8食でも110g缶で十分です。基本的にフリーズドライ野郎なので可能な話なだけですが...。軽くて便利で美味しいアマノフーズ様に感謝ですね。山に登る以外の日常の非常食としてストックしておいてもいいですし。ここのフリーズドライカレーはモンベル販売店でも置いてあります。
空が明るくなってきました。今日の寝床は山頂に雲がかっている黒部五郎岳の鞍部にある小屋のテント場です。あそこまで行くのか。いや~遠いな..。
そして明後日は黒部五郎の右肩から続く稜線を太郎平に向かって歩きます。黒部五郎岳の急坂を下りて赤木岳まで登り返してまた下ってまた登って北の俣岳を通って...。見えているその稜線にコースのイメージを重ねました。
5時半ごろ雨が上がりました。それを待っていたかのように一組、また一組とテントを畳んで出発して行きます。みなさんの旅のご無事をお祈りします。
午前6時半過ぎ。
一番最後になりました。
ぼちぼち僕も準備して出発しようと思います。
ちなみに今日のルートは..
- 雲ノ平山荘まで戻って最新の天気や道の状況を確認する
- 高天原峠まで下って高天原山荘へ
- 山荘に荷物をデポして温泉ピストン
- 岩苔分岐を水晶池方面へ
- 岩苔乗越から黒部川源流の碑方面へ下る
- 碑から三俣山荘キャンプ場方面へ登り返す
- キャンプ場を通過して三俣蓮華岳巻き道ルートへ
- 黒部五郎小屋
全行程でだいたい16Kmくらいの道のりです。
標高2500mの雲ノ平から2000mの高天原まで降りて2700mの岩苔乗越まで登り返します。そこから2450mの黒部川源流碑まで下って2600mの三俣山荘キャンプ場まで上がる...。距離もさることながら高低差もめまぐるしく変化する一日になりそうです。
雨が上がってガスってますね。では出発!
どんよりしていても絵になる風景です。あらためて雲ノ平に来ていることを実感します。雲に包まれた溶岩台地。まさに雲ノ平ですね。
きっとまたいつかここに来よう。
そんなことを考えながら歩きました。
山荘で確認したところ天気は回復していく予報でした。
ちなみに明日は午前中は晴れ予報です。いいぞいいぞ。高天原峠までの道はそこそこに険しいので足元に注意した方がよさそうです。梯子も登場するとか。雨やら朝露に濡れた二日目のテントは重くなります。さらに重くなったザックを背負って梯子降りるのは大変そうだな...。
山荘の北側に降りて行きます。
エンジンブレーキ掛けながらって...。
丘に上がって来ました。
コロナ観測所に到着しました。この近辺だけdocomoの電波が入るそうです。山荘泊まりの人たちが下界と連絡を取りにここへやってくるそうです。
ここら辺りもまた美しいです。雲間から天使の階段が伸びています。雲ノ平の北面は奥スイス庭園と呼ばれていますが神が降臨してきそうな雰囲気のある場所です。
ハイマツの先にシラビソの森。森へ入るといよいよ高天原峠への急坂に取り付きます。
その急坂樹林帯に入りました。
樹林を下り、森を歩き、また樹林に入って下るの繰り返しです。
歩きやすい木道に出てまた森に入っていきます。
そして言われた通り梯子の登場です。梯子の先にあったのものは...
さらに長い梯子でした。
急坂を下り続けてふと前に黄色い標識が現れました。
高天原峠に着きました。左に折れれば大東新道、右に行けば高天原。
ここまでけっこうな急坂でした。今回は下ってきたからいいけど反対に登って雲ノ平に行くのはかなりキツイんじゃないかな。せっかく温泉入っても汗だくになりそうです。
とは言え岩苔乗越周りだと長々と2700mまで登るのでそれも大変。薬師沢小屋からの急登も大変。結局雲ノ平はどこから上がっても大変ってことですね。
行く先の道を朝日が燦燦と差し照らしています。
透き通った沢を渡り
開けた草原の中の木道を歩き
立ち枯れのシラビソ林とその向こうの薬師岳を仰ぎ
やがて広い草原に出ました。
とても静かです。
どうやら高天原に着いたようです。
確かにそんな厳かな雰囲気があります。
シラビソの森に守られているかのように山荘が立っています。
山荘の方に挨拶を済ませてザックをデポさせて頂きます。
タオルと水、カメラの3つだけ持って温泉へ向かいます。この先に誰もが憧れる歩いてしかたどり着くことが出来ない日本一遠い温泉があるんだ。そこまで来たんだ。そう思うと足取りはまた軽くなります。
15分ほど下って
ついに温泉に到着しました。
ほんと遠かったです。まさに秘湯中の秘湯。
もうワイルドにいっちゃいました。これはかつて感じたことのない感動です。最高に気持ちいい。北アルプスの最深部。誰もいない山奥。そこで真っ裸になってこれまでの疲れを吹き飛ばす。そりゃもう最高です。
二つ目の目的を達成しました。
一個ずつ目的を自分の足で達成して行く喜び。
それがロングルート山旅の冥利です。
ありがとう高天原温泉。神々に感謝。風呂を出て山荘にデポさせて頂いたお礼と水の補給をして元来た道を分岐まで戻ります。
岩苔乗越まで標高にして700mほどの高低差を3時間かけてじっくりと登って行きます。
50分ほど歩いていくと水晶池の案内板が現れました。
黒部五郎小屋まではまだまだ長いので今回はパスします。
岩苔乗越への道は水晶岳に沿って森の中を進んでいきます。途中何度もダケカンバがいやらしい高さで道を邪魔してきます。10回以上は頭をぶつけたかと思います。
乗越まで3分の2あたりまで来てお昼休みにします。行動食のカロリーメイトを2本食べて水をたっぷり飲みました。
10分ほど足を休めてから出発です。
樹林帯を抜け沢の音が近くなってきました。
岩苔小谷を流れる沢。
この沢の源頭は岩苔乗越の上、鷲羽岳の北隣にあるワリモ岳の斜面から染み出しているそうです。高天原方面へ流れ下ってやがて上の廊下の立岩で黒部川に合流していきます。ここも黒部の最初の一滴なわけですね。立岩も「黒部の山賊」で出てくる地名ですが実際に歩いてみると如何に山賊たちの足が速かったことを思い知ります。「ちょっと立岩に岩魚を釣ってくる」と三俣から行っちゃうんです。ほんとに自分の庭みたいにして歩いていたわけですよね。しかも草鞋で。ほんと凄い脚力です。
高天原から3時間。ようやく岩苔乗越に出ました。たぶんですけど乗越(のっこし)って稜線に出るところのことですよね。雲ノ平から祖父岳を経由してワレモ岳分岐に向かう稜線の途中にあるのがこの岩苔乗越です。標高2700m以上の位置にある乗越は初めてです。
振り返って登ってきた岩苔小谷と水晶岳の斜面を眺めます。いや絶景かな。
水晶の頂きからの雲ノ平もいつか眺めてみたいな。
では乗越の先へ。今度はここから一気に300m以上下りて黒部川水源地標を目指します。せっかく登ったのにな~って気になります。
下りた先でまた正面に見えている三俣蓮華岳まで上がるわけです。
左端の鞍部に三俣山荘が見えます。その右隣辺りにあるキャンプ場まで登り返す…。たいへんだなぁ。
50分かけて下りてきました。そして40分かけて登り返します。地味にキツイ。
三俣山荘キャンプ場の裏手に出ました。ついひと月前泊まった場所がすでに懐かしいです。
やっぱきれいだな。三俣山荘と鷲羽岳。
さらにキャンプ場から三俣蓮華岳の北側巻き道へと進んでいきます。
まだ残雪があります。
20分も歩いて振り返るともうあんなに山荘が小さくなっています。
しっかしこの場所…平らだし景色いいし絶好の幕営地じゃないですか。
「黒部の山賊」を読んでなかったら思わずここに張っちゃいそうです。でも本に書いてあったように三俣周辺を含めた黒部一帯はツキノワグマの生息域。本の中で昭和の頃の三俣山荘に毎日のように現れたという熊が玄関から顔を覗かせる写真があります。伊藤正一さんはその熊がある日から来なくなったことを寂しがっていましたが凄い話です。北アルプスはその頃とは違って桁違いの登山者が山に登るようになり、そんなことはまずありえないしだいぶ状況も変わってるんだろうけどやっぱりここで一人幕営ってのは怖い。別に緊急事態でもなければ興味本位のビバークなんて避けるべきだと自分に言い聞かせて先に進みます。
山岳地帯は指定されたテント場で寄り添って野営するのが一番安心ですね。
途中黒部五郎小屋の方から三俣に向かって歩いていく方と何度かすれ違いました。お互いにこの先の道の状況を教え合います。
遠くに見える雲ノ平をスマホでズームアップ。肉眼では雲ノ平山荘の赤い屋根が見えてるんですがわかりませんね。
今日の朝7時にはあそこにいたんだと思うと不思議な感覚です。
三俣の方を振り返るとけっこうな急斜面に道が付けられていることがわかります。
やがてでっかい黒部五郎岳の雄姿が目の前に現れました。遠くで見るよりはるかに大きい。その大きさに感動も一入です。明日はあのてっぺんに登るんだ。
その先岩の道に変わってどんどんと下に降りていきます。
そして三俣から2時間ほどで黒部五郎小屋に到着です。
ここも綺麗なところです。
いやぁ~二日目も無事に歩き切ったぞ。
長かったぁ~。。
下りて登って下りて登っての繰り返し。やればできるじゃないか。
この旅初めての生ビール(1000円也)で祝杯です。
しみる~っ。
あぁりんご美味しそうですな。
ビールもたんまり。
宝船か。
テント泊の受付を済ませました。
この小屋は双六小屋や鏡平、ワサビ平と同じグループ だけあってトイレが超綺麗です。無臭。これには驚きました。
トイレを済ませて戻ると...
なんとホーボージュンさんに出会っちゃいました。いつも「山と渓谷」のGTRやPEAKSで連載記事を読んでるその著者に出会えるなんて超ラッキーです。
テントを設営しに行きます。
テン場は南に少し行ったところ。
まず見えるテン場。
その下にもあります。
下段サイトの岩陰に張りました。
ここなら風除けになる。
なによりまっ平です。
ペグもよく刺さる。
山のテン場でここまで快適楽勝にテントを張れたのは初めてです。
黒部五郎小屋のテン場最高です。
さっきのホーボーさんご一行も下段サイトに。
下段サイトは僕とご一行だけになりました。
設営を済ませて晩飯を食べているとホーボーさんたちが一緒に食べようと誘ってくれました。
当然行きます。
ジェットボイルで夕飯を仕込むホーボーさん。僕は真ん中。右隣りの方はなんとPEAKSの編集長の朝比奈さんでした。
めっちゃ愛読書のピークス。毎号欠かさずに読んでます。まさかそれを編集しているご本人や大好きな旅人、ホーボーさんと一緒に酒が呑める夜にありつけるなんて思いもよらなかったです。
いやはやこれは夢か。
たまたまこの日に黒部五郎を目指して歩いてきたらこんなサプライズが待っていました。
山のこと。旅のこと。音楽のこと。色んな話をしました。
僕が岐阜でウクレレ職人をひとりでやっていることを話すとなんとホーボーさんも郡上に縁があったりして..。
家から持ってきたスキットルのワインはあっという間に空になり、朝比奈さんに太郎平小屋から持ってきたというモルツを頂いてまたグビグビっと。
朝比奈さんにもらったドライトマトが感動的な美味さでした。家帰ったらマネして作ってみよう。
そのうちウクレレ一本編集部に送りますと約束して楽しい夜は過ぎていきました。
ちらっと自分の工房情報...
酔いも回って心地よく眠りにつきました。
明日はいよいよ最終日。
黒部五郎岳に登って、そして折立に帰る。
怒涛の3日間、50Kmの山旅は佳境に入ります。
岩陰に守られた平らな今夜の寝床は安心感満点。
今夜はゆっくり眠れそうです。
(マクロレンズで壮大な宇宙を撮影。無理があった)
朝6時に遅めの起床。
爆睡しました。いつもながらスタートの遅いやつです、僕は。
たいがいの登山者はみな夜明け前後にテン場を発っています。
それも自分らしくのんびりと行けばいいやなんて言い聞かせてモーニングブレイク。
6時半をまわり
45分にやっとテントを片付けて
すっかり誰もいなくなったテン場を後にして小屋に向かうと途中で景色を撮影している人が。
小屋のスタッフさんでした。今朝は初霜だったらしく朝は今シーズン一番の冷え込みで2度だったと聞きました。
テント寒くなかったですか?と聞かれましたが全く平気でした。
8月下旬の北アルプスはもう秋の気配。
振り返ったテン場方向は青空の下に笠ヶ岳があまりにも綺麗です。
トイレを済ませてくると同じく出発前のホーボーさんご一行とまた会いました。特に明日の朝は何時に出発とか聞いてなかったんですが同じ最終組と相成りました。ご一行は三俣方面へ。僕は黒部五郎岳方面へ。ここで記念撮影をしてお別れです。
いい体験をさせて頂きました。
感謝です。
ホーボーさん、朝比奈さんありがとうございました。
黒部五郎カールに向けてしばらく草原の中を歩いて行きます。
出発が7時をまわって遅かったためか誰とも会いません。
一人、カールを目指して歩きます。
ついにやって来ました。黒部五郎カール。
氷河の記憶。
僕の稚拙な写真(全部マクロレンズという暴挙)じゃ100分の一の感動も伝わらないですが物凄いスケールの大きさです。
「壮大」とはこの景色のことじゃないか。先月三俣蓮華岳の稜線から遠望した姿からは想像できなかった美しさです。
立ち尽くしてずーっと眺めていました。
しばらくしてカールの草原の先に一人の登山者を見つけました。さっきまでカール全体に見とれてその景色の中に人がいることに全く気が付きませんでした。
だんだん大きくなるその人影。色や姿がはっきりとするにつれ、それが誰なのかはたと気づきました。
見覚えのある後ろ姿。
軽快な足取り。
朱色の山岳帽にオレンジのザック。
そうです。初日に守りに入っていた僕を雲ノ平まで引っ張って行ってくれた方です。
思わず嬉しくなります。
雷岩で追いつくとやはり初日にお世話になった彼女でした。
僕が高天原に行っていた頃は水晶岳に登っていたそうです。そのまま鷲羽岳に登って昨日は三俣山荘に泊まり、今朝5時過ぎに黒部五郎を目指して歩いてきたようです。
雲ノ平でお別れしたときにはその後の日程をお互い何も知らせず仕舞いだったのでこの再会には驚きました。
雲ノ平からの道はいくらでもあります。彼女はバスで折立登山口に来ていたのでどこへでも降りることが出来るプランで縦走していました。
なんか今回の山旅は出来すぎているくらい楽しい。
また雲ノ平に上がったときと同じように他には誰もいない絶景の中で最高の時間を共有することができました。
黒部五郎の肩にザックをデポしていざ頂上へ向かいます。
空は快晴。
最高の気分です。
登頂。
雲ノ平越しの水晶岳。
ズームアップ。
雲ノ平の左の方に赤い屋根の雲ノ平山荘が見えます。
立山とその左に剣。
槍と穂高。
彼女は熟達者向けと言われる黒部五郎の稜線コースで小屋まで戻って行くそうです。
さすがクライマー。
僕は太郎平に向けて歩きます。
これでほんとにお別れです。
この晩夏。最高の思い出になりました。
ありがとう。
また一人、北の俣岳を目指して稜線を歩きます。
その途中で雷鳥に出会いました。
足元までやってきて砂浴びを始めました。
か、可愛い。
2600m前後で続く北の俣岳への稜線。
この稜線も先月見た憧れの風景の中。
そこを今、実際に歩ける幸せに存分に浸ります。
砂礫地帯の先に北の俣が見えてきました。
ここまで来れば太郎平はあと一息です。
太郎平小屋泊で黒部五郎岳をピストンした登山者がたくさん前を歩いています。
それに交じって雲ノ平を周回してきた僕はもうすぐ道を環状につなぎ終えようとしています。
2400mから徐々に高度を下げ、太郎平小屋への最後の木道を歩きます。
無事に太郎平小屋まで周回して参りました。
ここで一息入れて折立までの最後の活力をチャージします。黒部五郎岳の記念バッチもゲットしました。
お昼の軽食は14時まで。それ以降に名物のラーメンは食べれませんのでご注意下さい。
つまりそういった事情で僕はカップ麺です(今度来たら絶対太郎平ラーメン食べるぜ)。
さあ行こう。
ここから折立までの8キロは2時間でした。
午後4時半。無事に帰って参りました。
8月24日(土)折立登山口⇒薬師沢小屋から直登⇒雲ノ平キャンプ場
8月25日(日)雲ノ平⇒高天原⇒三俣⇒黒部五郎小屋キャンプ場
8月26日(月)黒部五郎岳⇒太郎平小屋⇒折立
3日間の合計50.5Km
「絶景山岳野営旅」第三弾 〜雲ノ平と高天原を巡る山旅〜 完
雲ノ平と高天原を巡る山旅 (前編)
「絶景山岳野営旅」 第三弾 雲ノ平と高天原を巡る山旅
「黒部の山賊」を読んで以来、いつかは行ってみたいと思っていた憧れの台地「雲の平」。
日本最後の秘境と呼ばれるその台地は北アルプスの名峰にぐるっと囲まれ、まるでそれらに見守られているかのような場所。標高およそ2500mから2700m、日本最高所にある溶岩台地。四方を百名山四座に囲まれ北に薬師岳、東に水晶岳、南に鷲羽岳、西に黒部五郎岳を見渡す。
一般的にどの登山口から雲ノ平を目指しても当日中にたどり着くのは難しいと言われるその台地についに行って参りました。そして今回の山旅の目的はあと二つ。
日本最奥の秘湯「高天原温泉」。
よほどの健脚者でなければ一泊以上の歩行を要する北アルプス南部の一番奥にあります。新穂高から双六小屋か三俣山荘で一泊して岩苔乗越を経由して2日。または高瀬ダムから北アルプス三大急登の一つであるブナ立尾根を登って裏銀座を通っても2日。天候や黒部川の水量条件が許せば折立から薬師沢小屋で一泊、大東新道を使って高天原までやはり二日。一般的に往復で4日かかります。そこまでしても行く価値がある秘境の温泉です。自分の足で歩きとおしてたどり着いた後に浸かる天然の温泉は言葉にならない感動と思い出を与えてくれます。
先月、三俣蓮華岳から双六岳へ向かう稜線上で薄雲の先に浮かぶ雄大な黒部五郎岳の頂稜と中の俣へと延びる稜線を初めて目にしたときの感動が脳裏に焼き付いてしまいました。シュンと尖った北アルプスの盟主槍ヶ岳とは対照的に雄大でたおやかな黒部五郎の雄姿に惚れてしまったわけです。僕の勝手なイメージですが槍ヶ岳は小言の多い神経質なお母さん、黒部五郎岳は懐の深い優しくときに厳しいお父さん。山ごとにキャラクターを付けるのが実は好きなんです。
今回のコースはこちら。
折立登山口から雲の平、高天原、黒部五郎岳を巡る2泊3日(予備日1日)。全行程50Kmの山旅です。
結果的に高天原に行くことができたのは道中で巡り合わせた方のおかげでした。その後黒部五郎小屋のキャンプ地での出会いなどあってめちゃめちゃ濃い、一生の思い出となった山旅となりました。人との出会いが一人山旅の一番の喜びだと改めて感じました。そんな3日間を綴って行こうと思います。
8月24日土曜日朝。有峰林道を経て折立へやって参りました。持ち主はすでに山に入っている車がずらり。折立の無料キャンプ場ではこれから登る準備をしている若者グループが十数名。これからみんなで登っていくんでしょう。
ここは無料ではあるけれども熊の目撃情報が多いところでもあります。前泊はやっぱり車中泊かな・・。
次から次へとやってくる大型バスからも登山者がたくさん降りて来ます。週末とあってまさに観光地ばりの人の賑わいを見せています。
見渡すと若者グループも多く見られますが中高年の山岳会グループの皆さんはさらに多いようです。山岳帽に名札を付けたグループが何組かいました。土曜日だから多いのかも知れませんがそれにしてもすごい人数です。
ピーク時じゃないけど6月末に行った燕岳の登山口、中房温泉口よりはるかに多い。太郎平小屋を目指すのはみんな同じでそこから薬師岳へ向かったり薬師沢へ向かったり黒部五郎へ向かったりと方々へ散って行くんでしょうね。
ではでは登山開始です。標高1350mの折立登山口。これからどんな旅が待っているのかワクワクしながら登って行きます。
おそらくテント泊装備の前を行くソロの方。スタート直後はザックの重さになかなか体が慣れません。太郎平小屋まではおよそ8Km。中間地点である三角点ベンチまでとりあえずウォーミングアップのつもりでゆっくり歩きます。ふくらはぎあたりがあったまってくれば体が有酸素運動モードと言いますか、つまり登山モードに入ってきます。
方々で朝の挨拶を交わしながら登って行きました。皆さん爽やかにおはようと返してくれます。山の挨拶ってほんとに気持ちいいです。
標高1700mを過ぎたころに現れるこの看板。「んちゃっ!」
出ました折立名物、5代目アラレちゃんです。ここで一旦スマホではなくデジカメで撮影すべくザックを下ろします。
今回のザック重量はおよそ20キロ。予備日を入れて3泊分の食糧と朝の冷え込み対策で冬用の衣類が入って重くなりました。水は補給ポイントごとに補充する計画で常に2L持ち歩いています。このモンベルのトレッキングパック55は表記55リットルですが3泊分でも入ります。余計なものを詰め込んでしまうと厳しいですが取捨選択の訓練にもなってます。僕にとって最高の山旅の相棒です。何よりシンプルで使いやすい。ザックの自重がちょっとあるけどその辺は己を鍛えます。
太郎平小屋は2300mちょっと。
1700m地点の中腹で20度を切ってきました。おそらく上はもっと下がるはず。最終日に登る黒部五郎岳は2840mでここより1000m以上も高いのでやっぱり防寒着は持ってきて正解だったかな。
カメラをしまっているとひとりのソロ登山女性が通り過ぎて行きました。挨拶を交わしてしばらく間をあけてから再び登り始めます。
三角ベンチでまた会ったのでまた挨拶をして今日の目的地を伺うとなんと雲の平だと仰ります。
実は僕は初日は無理せず太郎平小屋からすぐの薬師岳キャンプ場までのつもりだったので驚きました。初日から一気に雲の平まで行くのか。すごい人に出会ってしまった。そんな思いです。
しばらく話をしながら歩いて行きました。そして話の流れで一緒に雲ノ平まで行っちゃいましょうということに。
だ、大丈夫だろうか。行けるのだろうか、自分の体力で...。
振り返れば有峰ダムがあんな遠くに見えます。太郎平小屋まであと2.5Km。
彼女は過去にも雲ノ平に行ったことがあって経験上初日から行けると言います。
...実は今回の計画に高天原温泉は入っていませんでした。
一度雲ノ平まで行ってみて次の機会にその経験を参考にしてから改めて行こうと考えていました。
なので初日は薬師岳キャンプ場まで。二日目に雲ノ平経由で黒部五郎小屋。最終日に折立に戻る一周40Kmを予定していました。その距離なら前回の三俣山荘一泊二日で38Kmを歩けた経験から行ける自信がありました。
でも高天原まで入れて周回するとなるとさらに10Km増えます。全行程50Kmを3日間で回って折立まで戻るためには初日に雲ノ平まで行っておく必要がありました。まさにそれをやろうとしているのか。。
出来るのか、自分。
太郎平の美しい丘陵地帯を歩いて行きます。
日本最後の秘境、雲ノ平周回コースは3泊か4泊して距離を割ってゆっくり味わいながら歩くべき行程。でも今回僕に許される日程は基本的に2泊まで。次にいつ来れるかわからないとなると行けるものなら行っておきたいと思いました。
…いや、でもほんとに行けるだろうか。なんてぶつぶつと脳内で日程計算しながら太郎平小屋までの整備された美しい道を歩いて行きます。
太郎平小屋に到着しました。
彼女の言った通り標準コースタイムを1時間以上も巻いて3時間弱で着きました。こんな早くにすぐそこの薬師岳キャンプ場に行って明日の朝まで休息するのも勿体ないしまだまだ体力はほとんど消耗していませんでした。
ここから雲ノ平までコースタイムは6時間。たとえその通りだとしても夕方前には着く。
「一緒に行きましょう」
その一言に押されて行くことにしました。
ここへ明後日また戻ってくることを誓って。
沢を何本か渡り薬師沢小屋を目指して歩きます。実はロッククライミングがメインだと言う彼女の足取りは軽く、それでいて僕にとって早すぎる事もなくちょうどいいスピードです。10Km以上もの長丁場を誰かと話しながら山を歩くのは初めての経験でした。
あまり疲れてこないのが不思議で仕方なく、どんどん景色は移り変わっていきます。一人二人三人と抜いて行き薬師沢の透き通ったエメラルドの流れが下に見えました。30代の頃よく福井県九頭竜川の源流に硬調の竿を持って岩魚釣りに通っていましたがそこよりも遥かに透明で綺麗な沢です。そこからまたしばらく歩き「黒部の山賊」の中で河童が登場するカベッケが原を通過。どこからか「おーい」と聞こえたりしないかななんて小説の逸話を思い出しながら歩きます。
太郎平小屋から1時間半ほど歩いた頃、前方に赤い屋根が見えてきました。
折立登山口を出発してから5時間。薬師沢小屋に着きました。
薬師沢小屋に着いてまずその先の橋をチェックです。
なんか揺れそう...。
なんだか年季の入ってそうな吊り橋ですよね。
ちょっとだけ歩いてみました。やっぱりけっこう揺れます。
雲の平直登前に水分補給とエネルギー補給です。直登ルートはかなりキツイと評判です。小屋で15分ほど一休みします。
ぐいっと体に流し込んでチャージ完了。もう行くしかないって気になりました。
いざ雲ノ平へ出発!
吊り橋を渡り切ってから梯子で一旦沢に降ります。
小屋の手前で薬師沢は黒部川に合流してさらに流れは太くなります。
あまりに綺麗な沢なので手を浸してみたくなりました。すごく冷たい。澄んだ緑の空気と澄んだ川の流れに癒されます。
いよいよ直登開始です!
かつて経験したことのない急な斜面をこれでもかというほど登って行きます。20キロのザックを担いでこの急斜面。
雨で濡れていたらかなりやばいことになる道ですね。
岩という岩をよじ登り、木の根に掴まって這い上がります。
いつまで続くのかこの岩の道...。
永遠と登っていくとやがて空が開けてきました。
なんだか天空の城ラピュタでパズーが龍の巣を抜けたときのシーンを思い出しました。そんな感じです。キッツい急坂を永遠登り続けてたどり着いた憧れの溶岩台地の端。
シラビソ林に囲まれた一帯に出ました。
ついに雲ノ平に着いたようです。
綿毛になった稚児車(チングルマ)が出迎えてくれました。
何という景色。
言葉になりません。
ここはほんとに日本なんでしょうか。
それに不思議と薬師沢小屋を出てから誰ひとりとしてすれ違わないし誰とも会いませんでした。
広大な台地にそよぐ風の音と木道を歩く足音だけの世界。
こんな贅沢な時間、あっていいのだろうか。
ほんとなら今頃薬師岳キャンプ場で時間を持て余していたかもしれない。
今回は為せば成りました。たまたまかもしれないけど。
結果オーライです。
ちょっとハードだったけどほんとに初日に来れてしまった。
一人だったらまず無理でした。経験者と一緒に歩くってやっぱり違いますね。
そして夢にまで見た雲の平山荘の赤い屋根がいま目の前にあります。
来てしまった。
憧れの地の真ん中に。
彼女は山荘泊。ここが今日のゴールです。ここまで導いてくれた御礼を告げて別れました。初日にここまで来る勇気をくれた背中に心から感謝しました。
雲の平のキャンプ場は山荘から南東方向の祖父岳(じいだけ)に向かって20分ほど歩いた先にあります。
キャンプの受付と雲の平山荘記念バッチを購入。小屋の中はビール片手に談笑する人たちで賑わっていました。やっぱり小屋の中はあったかい。いつかまたここに来るなら小屋泊してみたいです。
小屋に向かって手を振ってキャンプ場へ。
今日の素晴らしい出来事に感謝しながら手を振りました。
草原の中を祖父岳方面へと続く木道が延々と続いています。
南西方向に黒部五郎岳です。きっと明後日にはあの頂きに立っているはず。
山荘がどんどんと小さくなっていきます。
今年は当たり年だったという花後のコバイケイソウの黄色い葉の海が一斉に風にそよぎます。
憧れの風景を歩く今回の山旅目的の一つ、コンプリートです。
水晶・三俣方面への分岐からすぐ先がキャンプ場です。
東を向けば目の前に水晶岳。
かっちょいい。
さあ今夜の寝床を探しに行こう。
周りのテン場よりも少し上の方に張りました。
テント全部の広さではなく自分が横たわるスペースだけ平らなサイトです。
山のテント場に多くは求めてないのでそれで十分です。
水場の近くの水溜りでビールを冷やします。
顔を洗ってプラティパスに水を汲みます。いや~冷たい。
この水、まじで美味しい。まったく雑味がないです。
ビールは5分も浸せば十分なほどにキンキンに冷えました。プラティパスに汲んだ水もご覧の通り無色透明に透き通ってます。北アルプスの天然水ですね。
ぱらぱらと水を汲みに人が上がって来ます。すると一人の男性に水場の場所を聞かれました。
すぐそこですよと答えると、
「あ、ほんとですね。どうも!」
なんか気持ちいいやり取りです。憧れの雲ノ平でキャンプ。きっとみんなそれぞれに憧れを持ってやって来たんでしょうね。
こんなに旨い一番搾りは初めてです。
雲の平に乾杯!
ここにいるみなさんに乾杯!
今晩の夕食はカレーです。代り映えのないメニューですみません..。
トッピングにナッツ。高カロリー仕立てですね。
いっぱい歩いたもんね。
ちょっと硬めだったかな。
いただきますっ!
食後は白ワインで一杯。
歩き疲れてもう眠くなってきました。
明日は高天原温泉。またたくさん歩くのでもう寝ます。
おやすみなさい。
後編へつづく
真夏の避暑キャンプ、車旅!
下界では今年の夏も酷暑の日々が続いてますね。僕の暮らす岐阜県東濃地方は連日の38℃です。暑い。いや、熱い。天気予報でよく聞く「平年並み」の平年てつまり直近何年かの平均気温のことです…よね。だとしたら今世紀入ってから年を追うごとに最高気温が更新されてるわけだから平均気温も昔と随分違うんじゃないか。そう思って気象庁のデータを見てみました。
一番古い記録で1875年。明治8年。その翌年にはグラハムベルが電話機を発明した頃の時代。東京の8月の最高気温平均は29.4度。143年後の2018年、同じく東京の8月の最高気温平均は32.5度。その差、3.1度。どうなんだろうこの数字。うーむ...。
ま、理屈抜きで暑いものは暑いので避暑地求めて長野県は佐久市にある内山牧場キャンプ場にやって参りました。
ここは目の前に奇山、荒船山を見ながらゆったりと牧場キャンプが楽しめます。標高1200mで下界より気温も低くて常に風があるので涼しいです!標高100mにつき0.6度気温は下がると言われているので海抜100mの僕の暮らす町より7度前後涼しいことになる。風速1mにつき体感温度は1度下がる。..それらを期待していざ避暑キャンへGO!
午後3時に到着して気温は27度!この日の岐阜県東濃地方は38度...。11度も低いじゃないですか!風もやや強めだし。最高!さっそく荒船山に金麦で乾杯!
今日は100均で買ってきた麻紐で着火します。
日も傾いて午後5時。さらに気温は下がって23度!連日下界では午後10時を回っても30度を下回らない昨今、もうこれは奇跡体験です。
牧場だからかアブやブヨはわりと多目。ディート入りの虫除けスプレーなど対策は十分にした方が良いかと思います。ハチやアブは車の排気ガスに含まれる二酸化炭素に集まってくるので到着したらすぐにエンジンを切らないと車外に出られなくなりますのでそこも御用心下さいませ。
さてさて、モーラでシュコシュコとこすって火口を作ります。
ファイアボックスの下には使い古しのモノラル焚火台の耐火布を敷いてます。
ダッカルビ風の何かを作っております。
はぅぁ~...キャンプってやっぱり最高だな~。涼しいしビールも美味いし!
西側の空。さわやかです。
さぁ~っと風が吹き抜けていきます。
粉ものを生姜を練りこんで適当に焼きました。見た目が微妙ですが...味はそれなりです。
夜の帳が下りて肌寒いくらいです。上着を一枚羽織りました。
セブンで買ったワンカップ的なワインを頂きます。
夜も更けていき酒も進みます。
ソロキャンプの友。ファイアボックス。
明日は山登り予定です。少し早めに寝ます。
このテントの居心地、高級ホテルです。
朝4時半。起床!
まずはお湯を沸かします。
そして珈琲。
昨日セブンで買った冷凍キッシュをあっためてモーニングセット完成です。
ありがとう内山牧場!最高に爽やかでした!
では八ヶ岳へGO!
大河原峠に向かう途中の蓼科スカイラインをドライブ中に突如として姿を現したこの巨大なアンテナらしき構造物の正体は...
直径64m。
あまりの大きさにビビりましたよ。
午前7時、目的地の佐久市大河原峠に到着しました。気温はご覧の通りです。さすが標高2093m。涼しい。
北八ヶ岳の登山口の中でも一番北側だと思います。ここから双子池、亀甲池を回って蓼科山を登頂してきたいと思います。
このイラスト地図だと下にある双子山にまず向かいます。そこから双子池を回って地図左の「至・竜源橋」と書かれた地点に周回してくる予定です。そこから蓼科山荘経由で山頂2530mを目指します。下山路は蓼科山荘に戻って前掛山経由で大河原峠にゴール。全体で10キロの山歩きです。
高嶺郡内風露(タカネグンナイフウロ)
大河原峠から15分で双子山に到着です。
双子山ゲット。
気持ちのいい山頂道です。
北に向けば浅間山。
東を向けば朝まで泊まっていた内山牧場方向にまっ平な荒船山。ほんとにあんな形した山って珍しいですよね。
双子山を下って行くと双子池に到着。
湧き水の池。
この白い看板の内容にはくれぐれも気を付けて下さいね。これ守ってるかどうか小屋からずっと見てたりします。ドランクドラゴンの塚地みたいな小太りの小屋番さん。青いシャツにバンダナを頭に巻いたその彼がじーっと監視してました。何かあれですよね…。
ヒュッテの方に「飲むなら必ず煮沸消毒すること!」「責任もてないから!」ととても親切にご注意頂いたので....。
じーっと水面を見つめた上で、
この水を汲むことはやめておきました。
亀甲池方面に向かって歩くともうひとつ池があります。そっちがキャンプ指定地ですね。
いやはや美しい。
今年は7月に雨が多かったからか水量が多めのようです。
双子池を後にして次の亀甲池に向かいました。
北八ヶ岳は苔の森。
苔むしたオオシラビソの森は独特の針葉樹林帯の中の香りがします。あぁ八ヶ岳の中にいるなー。そんな心地になります。
秋には赤い実がつく御前橘。
双子池同様に静かな亀甲池に着きました。
標高2000m地帯に神秘的な池。北八ヶ岳の森歩きは心の奥までリフレッシュしてくれますね。
竜源橋を通って急登のガレ場を歩くこと1時間で山荘に到着。
蓼科山、あと一息ですね。
ヤマハハコ
咲き始めた深山秋の麒麟草(ミヤマアキノキリンソウ)
残念ながら山頂は雲の中でした。
お昼にしましょ。
山頂でのこれはほんとに美味い。
赤とんぼがたくさん飛んでいました。
親子登山が多かったような気がします。夏休みだからかな。素敵ですね。
食後の珈琲を頂いております。
東の空は晴れてきました。荒船山が見えます。
西の景色。白樺湖や車山高原は雲の向こう。
ものすごい岩の数。5月に上った八ヶ岳最南端の編笠山と同じです。こちら最北端も同じようなお椀を伏せたような山体に岩だらけの山頂。八ケ岳って面白い。
と言うわけで蓼科山登山でした!
このあと無事に下山して蓼科スカイラインを白樺湖に向けて進みました。
白樺湖まで下りてきました。さっきまでいた蓼科山の山頂がよく見えます。
ここから見るとほんとに岩だらけ。
なだらかな裾野が雄大です。一番右が5月に登った西岳、編笠山。その隣のギザギザしたのが権現岳。阿弥陀岳と赤岳、横岳、硫黄岳。一番左は去年登った西天狗と東天狗。
霧ヶ峰ビーナスラインを経由して諏訪の市街を抜けて辰野の峠を越えました。さらに進んで次のキャンプ地へ向かいます。
次は久しぶりの陣場形山に向かいます。
地元在住、龍太郎さん情報によると最近陣場形キャンプ場のトイレが一新したとか。楽しみです。
到着設営して日が沈んだころに山頂に上がってみました。
ちょっとマイナーだけど中央アルプスは越百山から仙厓嶺、南駒ケ岳の3座をいつか歩いてみたいです。
木曽駒方面。絶景です。
下ります。
ほんとにトイレが一新していてびっくり。伊那の「かんてんパパ」という会社さんのご尽力によるものだそうです。ありがたい。綺麗に使わせて頂きます。
それでは第二夜のスタートです。
久しぶりの陣場形で久しぶりにシメサバを頂いちゃいます。
ほどよく人がいるといった感じがいいですね。きっとお盆になったら凄いことになるんだろうと思いますが...。
牧場ソーセージをジュウジュウしていると誰かが声をかけてきて..
ご存知、龍太郎さんでした。
確かにこの4時間前に霧ヶ峰あたりで今夜陣場形に行くと一行だけlineしましたが...それだけでほんとに弾丸キャンプに来てしまうこのバイタリティー。
恐れ入ります。
翌朝5時起き出勤もなんのその。今夜はダイヤモンド張りでタープ泊のようです。風強いけど大丈夫だろうか。
タトンカでダイヤモンド張りってけっこうレアで渋いかも...。
さっそくお裾分け。
「うめぇ~!」を連呼しております。
いやぁ~キャンプって最高ですね。
今夜もファイアボックス。
と思ったら龍太郎さんもファイアボックス(ピカピカ)。
4年ぶりの陣場形の夜に乾杯!
楽しい夜はあっという間に過ぎていきました。
やっぱ渋いなぁ。タトンカダイヤ。
ではそろそろ寝ますか。
おやすみなさい...。
翌朝5時前。
龍太郎さんミイラ状態です。息してるんでしょうか。
あ、よかった。生きてます。
寝起き3分で山頂へ。
まだ方角によっては薄暗いです。
中央アルプス側もピンクに染まってきました。盆地の右手に駒ヶ根市、正面に飯島町。左手に中川村です。
どれだけ蚊に刺されてもムシ。寝起き5分。素晴らしい生き様を見せてくれます。
テント場方向も朝が訪れています。
そしてついに北岳の肩からご来光が登って来ました!ありがたい!
中央アルプスにたなびく薄雲。
ピンク色の空木岳。
美しい。久しぶりに来てほんとに良かったです!
やっぱり夏のキャンプの必需品といえばこれですね。
朝から色々と虫が飛んでます。
朝珈琲。
清々しい朝もキャンプの醍醐味ですね。
こちら龍太郎さんもシェラカップ珈琲。
贅沢にフルーツなんか頂いちゃいます。
朝6時過ぎ撤収開始!
南アルプスを照らすお日様。
さ、下界に帰ります。
最後まで読んで頂きありがとうございました!
三俣蓮華岳と双六岳 (後編)
晩御飯を作ります。今夜はアルファ米と野菜カレーです。
アマノフーズの野菜カレー。お湯で戻すだけって楽ちんですよね。
モンベルのアルファ米が炊き上がりました。お湯で戻して15分待つだけでけっこう美味しいんです。
こんな北アルプスの奥地でテント泊カレー。最高としか言いようがありません。
雲行きが怪しくなってきました。
と、かなりの土砂降りです。
雨は夜になって強まり、降り続きました。歩いている最中に全く降られずここまで来れたのはほんとにラッキーでした。雨音を聞きながら9時ごろ眠りにつきました。
朝4時。目覚めの珈琲を淹れます。
テントの中で頂く早朝珈琲は格別です。
4時半過ぎ。東の空が朝焼けに染まり始めます。
朝ごはんは棒ラーメン。
鷲羽さんがピンク色の空に包まれていきます。
北に目を向けると水晶岳はオレンジ色の空の中。
西の空もオレンジです。
北アルプス百名山の朝焼けショーを四方に展望しながらちゅるちゅると食べてます。なんて贅沢な時間でしょうか。
朝食後、三俣山荘でトイレを済ませて今日これから3時間置きの地域天気予報と最新の登山道状況を小屋のスタッフさんに確認しに行きます。
昨日の予報では午前中晴れで午後から雨だったけど予想通り変わりました。9時までは曇り。12時まで曇り時々雨。午後は本降りの予報に変わりました。槍方面を見ればどんよりとした雲の塊が赤肌の硫黄尾根に向かって動いています。
次々と各方面に出発して行く登山者皆んなに「行ってらっしゃい!」と暖かく送り出すスタッフさんの笑顔が素敵。でも笑顔の奥に登山者一人一人の様子をしっかり観察しているような眼差しを感じました。いざとなったら救助に向かうのはまず山小屋のスタッフさんたちですもんね。きっと色んな緊急事態に対処なさってきたんだろうな。僕も気を引き締めて下山しなくちゃ。
6時前。テントに戻ってきました。
名残惜しいけど撤収開始です。一つずつ丁寧にザックの中に仕舞っていきます。
テント以外のパッキング完了。
いや、ほんとにここでキャンプしたんだなぁと感慨に浸りながら最後にテントを畳みます。
またいつか三俣山荘にきっと来よう。そう誓って下山にかかります。
朝6時半。北鎌尾根を遠望しつつ三俣蓮華岳の尾根を登って行きます。ハイマツのトンネルをいくつも抜けて三俣分岐を目指します。
振り返ればまだ鷲羽さんのシルエットがどーんと見えてます。
巻き道と稜線ルートとの分岐点まで戻ってきました。帰路は三俣蓮華岳の頂上方面に向かいます。
三俣蓮華岳頂上です。ここは岐阜、富山、長野の三つの県境が交錯する地点です。標高2800mの稜線に上がるとすっかりガスに巻かれてしまいました。視界なしです。
稜線ルートを双六岳に向かって歩きます。
度々完全ガスに巻かれます。10m先が見えません。方向感覚を失わないようにコンパスを見ながら慎重に歩きます。
ガスに巻かれて視界が悪くても高山の花はそっと足元で咲いています。なんだか励まされます。これはアオノツガザクラ。
咲き始めたばかりのタカネヤハズハハコ。
「高嶺矢筈母子」と書き花言葉は「愛しむ」。
別名「タカネウスユキソウ」。
日本海側からどんどん雲が上がってきます。風があまりないことは幸いでした。
雪田を越えてしばらく歩いた頃…
さっきまでガスに巻かれていた西側の景色が一気に晴れ渡りました。北の俣岳へと続く壮大な稜線の中にどどーんと鎮座する黒部五郎岳が現れました。この瞬間が今回の山旅で見た景色の中で一番印象的でした。氷河の痕跡を残す黒部五郎のカールが感動的なものだということはよく知られていますが実際に初めてそれを遠望したときのこの感動は一言では言い表せません...。
東に目を向ければ北アルプスの盟主である槍穂の雄姿。この稜線ルートのどこを見ても壮大な景色は忘れがたいものとなりました。
双六岳頂上と中道との分岐まで来ました。
予定通り双六岳頂上へ向かいます。ザックをここにデポして身軽に。往復30分でした。
キバナシャクナゲがたくさん咲いています。
双六の頂きです。
さっきまで晴れていたのに一気にガスに包まれました。
このクジラの背中の先に槍ヶ岳が見える景色を見たかったですが今回はお預けですね。
デポしておいた中道分岐まで戻って来ました。
チングルマが咲いています。綿毛になった姿も見たいですね。
一日ぶりに双六小屋まで戻って来ました。
往路では時間があまりなかったので長居しなかったんですが帰路ではここでお昼ご飯休憩を取ります。三俣山荘キャンプ場を出たのが朝の6時半。ほとんどガスに巻かれて視界がよくない稜線を無理せずゆっくり慎重に歩いてここまで戻ってきました。この時点で午前9時過ぎ。途中、中道分岐でザックをデポして双六岳を往復。再び中道経由で双六小屋へ降りてきましたが3時間弱かかりました。三俣山荘で三俣蓮華岳の山バッチ、ここ双六小屋で双六岳の山バッチをゲットしました。
無事にここまで来れたことに乾杯。1時間ほど双六小屋でのんびりさせて頂きます。
雨が降ってきたので小屋の中へお邪魔させて頂きました。
お。ギターだ。
自宅でオープンGチューニングでよく弾いたりしてます...。
ここの名物、五目ラーメンです。
小屋の美人なお姉さんが作ってくれました。
感謝!あったかいし美味い。
午前11時双六小屋を後にしました。
午後0時過ぎ。鏡平山荘まで戻って来ました。雨が一旦上がりました。これなら水面は鏡になるかな。
またちょっと降り出してきちゃったけど逆さ槍ゲットです。
【ツマトリソウ】
「褄取草」
鎧の褄取に似ているのが元だとか。花言葉は「純真」「安楽」
小池新道はほんとに花がいっぱいです。
【ゴゼンタチバナ】
「御前橘」
花言葉は「古風」「移り気」
【コイワカガミ】
「小岩鏡」
花言葉は「忠実」
【ミツバオウレン】
「三葉黄連」
花言葉は「栄誉」
【キヌガサソウ】
「衣笠草」
古代王朝時代にその名の所以があるとされる。絹の笠に似ていることから衣笠草。花言葉は見当たらず...。
秩父沢まで戻ってきました。
ここから先は林道歩き。ワサビ平小屋を経て新穂高までラストスパートです。雨が本降りになって来ました。
雨の林道歩きではこの折り畳み傘が役に立ちました。エバニューのカーボン製の傘でなんと100gを切る軽さです。モンベルの傘が128g。これは驚異的。
ハイマツ帯や樹林帯の中では障害物が多くてとても傘はさせません。ましてすれ違いのときには危険です。新穂高の長く広い林道などでは活躍しますね。雨でしっとりした衣類も速乾性ゆえに傘をさして歩いているうちに乾いちゃいます。風さえ強くなければの話ですが紫外線の強烈な稜線で日傘としても使えますね。
なんと90g。
こちらは158g。
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午後3時前。
無事に下山しました。
この後、平湯温泉でひとっ風呂浴びて帰りました。
今回往復で37キロの道程をテント泊装備18kgのザックを担いで一泊二日で歩きました。ゆったり安心して行くなら新穂高から双六小屋までで一泊してその先でもう一泊がオススメです。今回は往路では双六小屋に予定通り13時前に到着したことと復路でも嵐のような天候の大きな崩れはなかったことが幸いして何とか行って来れました。まだまだ経験が浅い身ですので単に運が味方しただけだと思います。双六より先はじわじわとザックの重さが肩に食い込みなかなかきつかったです。そこはトレーニング不足を痛感しました。身軽なULスタイルや小屋泊装備なら日頃運動をしている方ならこの距離は充分に射程圏内だと思います。
なんやかんやで午後6時過ぎに無事帰宅。半日前に三俣山荘にいたことがもう嘘のような感覚です。そもそも昨日自宅を出発して今日帰って...なんだか狐に抓まれたような心地ですがほんとに鷲羽さんの麓まで行って来たんですよね。その証拠に...
ちゃんと山荘でゲットした三俣蓮華岳バッチ(キヌガサソウ)と双六岳バッチ(黒百合)がこうしてあるわけです。ちなみに左下のコマクサは先月の燕岳バッチです。
また一つ、いつか行ってみたかった場所に歩いて行くことが出来ました。達成感たっぷりです。
山でテント泊するのもまだ3度目ですがちょっと考え方が変わって来ました。今まで人と違うモノばかり追求する癖があったんですがモノはあくまで道具であって自分にとって使いやすければど定番モノでも何でもいいって考えに変わりました。
大切なのは自分にとっての使いやすさとその道具に対する信頼と愛着なんだってことを山歩きの色んなシチュエーションの中で山道具に教えられた気がします。
そんな愛すべき道具を永く大切に使いつつ一個一個の山旅が心の中で永久の風景となっていることに感謝するようになった今日この頃です。
最後までお付き合い下さいましてありがとうございました!
三俣蓮華岳と双六岳 (前編)
2019.7.17-18 百名山鷲羽岳を望む三俣山荘キャンプ場にて
今年は人生のやってみたい事リストから「テント装備を背負って絶景を歩いてみたい」に挑戦しております。4年前から日帰り登山は色々とやってました。そろそろステップアップしてアルプスにテントを背負って登ってみたいなと思いまして、毎朝トレーニングを積んできました。
実は記事にはしていないんですが5月に八ヶ岳最南峰の編笠山と西岳にお試しでテント泊登山に行ってきたのでその練習登山も含めると今回で3回目です。
青年小屋のテント場で初めてのソロテント泊登山を体験してたくさんの反省点が洗い出されました。
まず体力、脚力。基礎トレがないとフル装備のザックを担いで1000m以上登っていくのは厳しいことに気がついたことに始まり、ザックそのものの正しい背負い方の手順やパッキングの方法で重心がかなり変わってくることなど色々と勉強になりました。
ソロテント泊登山本番第一弾は6月の燕岳&大天井岳でした。北アルプスの入門地としてメジャーな燕岳。北アルプス三大急登の合戦尾根はほんとにきつかったけど雲海も見れて最高でした!
そして今月は憧れの絶景山岳野営地の一つ、鷲羽岳の麓にある三俣山荘キャンプ場に行って参りました。新穂高(1103m)から三俣山荘キャンプ場にてテント泊、復路で双六岳(2860m)を経由して新穂高まで帰る往復37キロ、最大標高差1757mを一泊二日の日程で山旅して参りました。
まさに雨ばっかりの2019年の梅雨ですが奇跡的にひと月前から予定していた山行日の予報は晴れです。当てにはなりませんが...。下界と山岳地帯との気温差はご覧の通り。高山市内が30度でも山の上は12度です。朝方は一桁。
二日目は午前中まで晴れマークで午後に曇りになってます。でも天気図を見ると前線が北アルプスの真上に居座り続けているのでかなり不安定な状況には変わりなさそうです。何となく午前中には天気が崩れそうな予感がします。午後からは東シナ海で台風に変わった熱帯低気圧の影響で雨は強まりそうです。今回は雨覚悟の下山です。(下山翌日にこの台風の影響で長崎五島列島に線状降水帯が発生)
今回の山旅は北アルプスのど真ん中、百名山の鷲羽岳を望む絶景のキャンプ場、三俣山荘キャンプ場を目指します。深山荘の登山者用無料駐車場からスタートして左俣林道、小池新道、弓折乗越、双六山荘、巻道ルートを通って三俣山荘キャンプ場を目指して行きます。踏む山頂は二座。岐阜、富山、長野の三県の県境が交わる三俣蓮華岳とサッカーできるくらい広いクジラのような山体が特徴的な双六岳です。双六岳は花の百名山としても有名です。
モンベルのトレッキングパック55。
重さを感じない背負い心地で評価の高いオスプレーのアトモスAG65も持ってるんですが毎朝5時に近所をこのままの状態(18Kg)のこのザックを担いで2.5キロ歩いてトレーニングしているうちに体がこのザックに慣れてしまいました。余計なもんがなくてすっきりしたデザインと「重いもんは重いんじゃ。誤魔化さずに己を鍛えろ」と諭さんばかりのこのザックに惚れてます。同じ内容でパッキングしてみるとアトモスAG65は確かに重量以下に感じるまさしく(AG)アンチグラビティーなザックです。ただウエストのポーチって言うんですか、そこが大きくて歩くとき邪魔に感じるんです。ここは好みの問題ですね。いっぱい入っていいじゃんて人もいるだろうし。トレッキングパック55のウエストポーチはスマホ(iPhone6s)がギリ入るくらいの大きさしかありません。55リットルと謳いながら雨蓋部分までびっしり収納できるので65リットル程度のキャパはあります。背中の通気性はありません。でも今回の夏山の北アルプスはご存知の通り最高気温で12度から15度で涼しいし朝晩は一桁台です。背中が暑くてしょうがないということはまずありませんでした。
テント、マット、寝具、雨具、着替え、防寒着、食料、水、バーナー、コッヘル、応急用品、カメラ、などなど総重量18キロ。
変わった装備としては...
- 以前下山中の登山道にスズメバチが居座っていて困った経験からスズメバチ撃退スプレー
- 三俣山荘キャンプ場はコバエや虫が多いとの情報からディート入り虫除け
- 標高2600m前後の稜線歩きは焼けるのでサンオイル
- 今年の奥飛騨は熊の目撃情報が例年よりも多いとのことで熊撃退スプレーも装備しました。何年か前に笠ヶ岳クリヤ谷で熊に襲われたものの巴投げで撃退したという凄い登山者がいましたがそんな猪熊ジゴローみたいなこと不可能なので撃退スプレーで備えます。重くなるけど万が一です。
まずは深山荘登山者用無料駐車場(標高1090m)からスタートです。
新穂高登山指導センター前です。予報通り天気は晴れ。晴れれば天国、雨なら地獄ほどの差がある山旅ですが今日はラッキーです。
蒲田川左俣谷。雪代が入って水量は少し多めのようです。
長い林道歩きのスタートです。
カーブミラーで自撮り...。
ファイントラックの「ニュウモラップフーディ」。これが絶妙な山アイテムでして、ウィンドブレーカーでもあるし小雨程度なら撥水するし…生地が柔軟でカッパみたいにガサガサと音がしないんです。脇下から下に向かってリンクベントというジッパーが付いていて衣服内に溜まった熱を一気に放出してくれます。小雨が降ったり止んだりの微妙な天候や風が吹く稜線など刻々と変化する状況にほとんどこれ一つで対応できます。ただ一つ難点は...値段ですかね。。
舗装路と砂利道が交互に現れます。
ゲート横からお邪魔します。
まずはワサビ平を目指して歩きます。
小池新道を登って弓折乗越まで上がって双六小屋、三俣蓮華岳のカールの麓を歩いて三俣山荘がゴールです。いやはや遠い。
朝6時。涼しくて気持ちの良い林道歩きです。
緊張するな~。。
傾いてますかね…。とりあえず渡れました。欄干が雪の重みでぐしゃぐしゃに曲がってます。
これが最強にキツイと評判の笠新道ですか。たぶん一生ここは登らないなぁ。
新穂高登山者指導センターから1時間ほどでワサビ平小屋に着きました。
ザックを下ろして一休み。ちなみにバンジーコードで括り付けられているのはニュウモラップフーディです。稜線に出て寒かったら着ようと思います。
水分補給とエネルギー補給です。今回の山行で持参したカロリーメイトは8袋(16本)=1600キロカロリー。上りで3袋、下りで2袋、予備で3袋。
ワサビ平小屋名物ですね。
夏場の林道の合間に冷えた果物や野菜があったらそりゃ食べたくなりますって。
休憩を終えて林道歩き再開です。前を素敵な夫婦が並んで歩いてます。なんかいいなぁ。サトウハチローの詩みたいだ。
事前に調べていて一番怖そうなポイントに来ました。しっかし2、3m落下って...。
あ、確かにやばそうです。雪渓おそるべし。
こちらは雪庇。これも危ない。さっきの雪渓も下は空洞状態でしたね。踏み抜いてこの高さから転落したら荷物18キロと体重65キロ合わせて83キロの衝撃が。それに崩れてきた雪の塊に埋もれる可能性も。…恐ろしや。
雪渓もやり過ごして爽快な山歩きです。まだ素敵なご夫婦の後を距離を保って歩いてます。
奥丸山の分岐まで来ました。
ここを渡って槍ヶ岳まで行くルートもあるわけですか。いつか歩いてみたいな。
コースタイムで鏡平まで3時間半。双六小屋まで5時間50分。行くぞ~!
平坦な道も終わってここから小池新道、本格的な登りです。
登りやすいように石段になってます。山小屋の皆様の仕事に感謝です。確か双六小屋の大将さんて小池さんでしたよね。てことはその小池さんが整備なさってるのかな。歩きやすいです。ありがとうございます!
向こうに100名山の一つ、焼岳が見えます。
前にULスタイルの若者3人。かっこいいな。PEAKSによく出てくるスタイルそのものですね。ほんとに軽そう。ULってたしかテント泊装備でも総重量一桁の人もいるんですかね。だとしたら僕の半分じゃないですか。軽い分遠くまで歩けそうですね。でも僕は41になってむしろ体を鍛えたいのでオーソドックスなテン泊重装備ザックでがんばりたいと思います。
白山石楠花の花が綺麗です。
秩父沢まで来ました。
秩父小沢で顔を洗いました。冷たくて気持ちいい!
1時間おきにザックを置いて肩を休めます。さっき見たULスタイルの方々が目に焼き付いてさらに重く感じる。あ、いや。気のせいです...。
車百合のオレンジ、綺麗です。
チボ岩まで来ました。
イタドリが原まで来ました。
シシウドが原で一休み。歩いてきた奥丸山分岐の橋があんなに遠くに見えます。
新穂高から1000m上がって来ました。
この岳樺がちょいちょい道を横切ってまして。足元ばかり注意してると頭ぶつけます。いや、ぶつけました。
熊の踊り。見てみたい気もします…。くまモンみたいなゆるキャラ音頭だったらここでコーヒー淹れながら鑑賞したい。
あと500mで昼メシ!
ついに鏡平山荘の木道です。
おぉ、ここがよく写真にでてくる逆さ槍の鏡池ですね。
ガスって槍なし…。
午前11時。新穂高から5時間。ほぼコースタイム通りで鏡平山荘到着です。さあお楽しみの山荘ランチタイムじゃっ!
山旅の楽しみの一つ。山荘で頂く山荘飯。重いザックを下ろして休憩です。
生一丁っ!
醤油ラーメンを注文しました。控え券に具のレイアウトが書かれてますね。
これが美味かった!1000円もする山のラーメン。下界から荷揚げしてる分高い。が、普通に美味い!
教養度を測られてみました。
まあまあだね。
楽しいお昼休憩でした。ありがとう鏡平山荘さん。
槍・穂高、西鎌尾根が見渡せるナイスロケーションな山小屋です。
腹ごしらえを済ませて出発!
鏡平から弓折乗越間の残雪。
ヨツバシオガマですね。
[四葉塩釜]
葉っぱが確かに美しい。葉まで綺麗。浜で綺麗。浜で綺麗は塩釜。だから四葉塩釜...。ちょっと強引じゃ。
花言葉は「誘惑」。個人的にはBELOVEDの方が好きです。違うか。
オオバキスミレです。
[大葉黄菫]
花言葉は「慎ましい喜び」
なるほどね。慎ましいかも。
サンカヨウです。
[山荷葉]
雨に濡れると花びらが半透明になる。花後の実はブルーベリーみたいで食べれる。
花言葉は「親愛の情」
[信濃金梅]
葉っぱがギザギザで花は少し大きめです。
花言葉は「恋・呪い」
[白山一華]
花言葉は「幸せを招く花」
鏡平山荘を遠望。
弓折乗越の立て札が見えました。
この中にいます。わかります?
完全に保護色ですよね。
ここです。お腹の白い部分が見えてます。ヒナがそばにいるようです。天敵の鷹などが飛んでいない曇天などはこうしてハイマツ帯から外に出てくることが多いそうです。
クロユリベンチ付近で標高2600m。
ベンチ発見。楽しみにしている黒百合にもうすぐ会える。
おおおおおおおおおおお!!!
素敵過ぎます。黒いってのがまた渋い。魔女宅でもおかあさんが言ってました。黒は女を美しくするんだって。
ソバナのブルーの綺麗だけどやっぱり双六エリアといえばこの花ですよね。
[黒百合]
花言葉は「恋・愛」と「呪い・復讐」
呪いについての俗説は「佐々成政と黒百合」のストーリーが有名ですね。
ミヤマリンドウ
[深山竜胆]
花言葉は「正義」
古来から漢方薬として親しまれてきた花。根をすり潰した粉は熱さましの効能があるがとても苦く、それが竜の胆とされた...そうです。
クロユリベンチで西鎌尾根を眺めて小休止。
樅沢岳と前樅沢岳を前に見ながら山道をしばらく歩いて行くと...
バっと景色が開けて赤い屋根の双六小屋が現れました。これには感動。
小屋の向こうには鷲羽岳がどーんと聳えます。
一旦降りて再び登り返します。
目の前には双六池。さんざん写真で見てきた景色が目の前に。じーん。
午後1時過ぎ。新穂高から6時間半。
無事に双六小屋まで到達できたことにまず感謝です。
元気も回復してさらに奥へ。
鷲羽の麓、三俣山荘を目指して進んでいきます。
双六分岐まで来ました。往路では巻道を使います。正面に丸山2854m。その隣に三俣蓮華岳2841m。一番右手に祖父岳(じいだけ)2825mです。
「1時間歩いて5分休む」
マイルールです。
肩を休ませながら進みます。
三俣蓮華岳カールはハクサンイチゲやミヤマキンポウゲのお花畑です。
北鎌尾根ですね。ギザギザです。よくあんなとこ挑戦する人いるなぁ。凄い人がいるもんだ。
三俣蓮華岳の残雪を源に冷たく透明な北アルプスの水が流れていきます。
赤肌の硫黄尾根の向こうに先月歩いた表銀座と大天井岳2922mが見えます。
鷲羽岳が正面に見えてきました。
午後3時過ぎ。18.3Kmの道程を経てやっと着きました!
「憧れの山岳風景」一つ達成の瞬間をカメラに納めます。
なんつー美しさでしょうか。ここはほんとに日本なんでしょうか…。
ここがまさに黒部の山賊の舞台。戦国時代に佐々成政軍が針ノ木峠を越えて行ったというのもすごい話ですが...。高天ヶ原の金脈伝説やら成政の埋蔵金伝説やら僕にとってロマンが沢山詰まってるエリアです。
とにかく感動です。じーーーーん。
プロジェクトXの放送を拝見させて頂いて以来、いつか来てみたかった三俣山荘。黒部山賊。北アルプスの奥地。
ほんとに来てしまった。
雲の平。いつか行ってみたい場所が歩いて3時間のところ。
テント泊受付を済ませていざテン場へGO!
愛幕トレックライズ1と鷲羽岳様。
「憧れ」達成です。
絶景を前にテントの中でまったり宮城峡タイム。
スキットルにはスイートな宮城峡。
そこに山荘で買ったネクター。
バームロールを摘んでまったり。
午後6時。
山の端に日が沈んでいきます。
後編へつづく
梅雨の合間に完ソロソロひるがのキャンプ
2019.7.1-7.2 ひるがの高原
今シーズン二度目のひるがの高原にやって参りました。
雨予報の平日ということもあってかこの日は貸切状態でした。でも13日からの連休はもう予約で満杯だとか…。ラッキーでした。
予報とは裏腹に今のところは曇り空です。
今回は雨がいつ降っても良いようにムササビ張りました。
こちら龍さんサイト。同じくムササビです。
岐阜へようこそ!
ムササビって低く張るとシルエットが美しいですよね。
日本酒いっときます。
雨も降らず貸切のひるがの高原の夜を満喫できてハッピーであります。
龍さんから飯の差し入れ。
良い香り。
んまいっ!ジンギスカンに良く合います。
キャベツまみれの回鍋肉.
いやぁ最高。
キャンプはやめられないですね。
夜更けはスコーンでしっぽりと。
貸切なのでブルースハープを吹きました。
朝方にまとまった雨が降ったようです。
でも6時には降り止みました。
焚き火スタート。
いつものように焚き火で沸かした湯でコーヒーを淹れます。普通に沸かした湯より何故か香ばしくて美味しい焚き火の湯。
鍋焼きうどんもタークで作っちゃいました。万能選手です。
ゆったりとした時間。
龍さん着火の儀。
おぉ。
手慣れたもんです。
次の山行を計画。
龍さんから焼いたフランスパンの差し入れ。
溶かしたカマンベールチーズにディップして食べる。お洒落キャンパーか!
日が差してきました。
雨予報。確かに朝方だけざーっと降りましたが活動中は撤収時含めて天候に恵まれました。ラッキー!
梅雨の草花はみずみずしくて綺麗ですね。ではまた!
燕岳と大天井岳
山旅の記録 no.1 「燕岳と大天井岳」2019.6.22〜23
悠久泰然とした絶景の中でテントを張って過ごしたい。そう思ってしまうとそれは下界のキャンプ場ではなく山の上。文明が極端に少ない場所。
北アルプスの入門的存在、燕岳(つばくろだけ)に行って参りました。登山口の中房温泉からは標高差1200mで燕山荘(えんざんそう)です。だいたい5時間弱歩けば着きますが衣食住全部詰め込んだテント泊装備のザックの重さは17キロ。これを担ぎ上げて登るのはやっぱり大変でした。
でも最高の雲海風景を眼前にテン泊してみたくて頑張って参りました。
梅雨真っ只中、雨予報。合戦尾根を登って行きます。
合戦小屋まで登って一休み。
かき揚げうどんを頂きました。
岩鏡に癒されながらのんびりと登って行きます。登山口から四時間半ほど歩き…
燕山荘に到着です。
山荘で幕営手形をもらって設営完了です。
設営終わった時間が13時手前。ちょうど晴れ間も見えてきたので燕岳に登ってきます。テン場から20分かからないほどで登頂できます。
何とも優美なお姿。燕岳、美しいです。
山頂に向かう途中にある有名なイルカ岩です。気になったのはその左手にある岩でした。いいね👍マークに似ている…。
もう👍にしか見えない。
イルカさんこんにちは。
これも有名な眼鏡岩ですね。
コマクサです。まだ蕾ですね、
登頂です。
燕岳、ほんとに綺麗な山です。
テン場まで戻って来ました。また雲行きが怪しい。
風も出てきました。稜線直下のテン場なので強風に要注意ですね。
通常のペグは役に立たないので落ちてた太めの枝を雪ペグ代わりにしました。国産メーカー、アライテントは風に強いので心強いです。
再び燕山荘に戻って来ました。この後は山荘でしばらくのんびりさせて頂きます。山男さん、ただいまです。
燕山荘は海抜2700mにある山小屋とは思えないほど立派な山荘です。
ぱんぱんに膨らんだカッパえびせんをつまみに生ビールを頂きます!
三時間ほどの間にビールを何杯かおかわりしちゃいました。僕の場合、登山というか絶景に来て呑みまくる…下界でキャンプしているのとやっていることは大差なかったりします。
燕岳を背後に絶景キャンプ。標高差1200mを17キロのザック担いで登って来た甲斐がありました。
午後6時。雨風ともに出てきました。
夜になるにつれて雨も本降りになりました。携帯を充電し、明朝の雲海を楽しみに眠りにつきました。
テントの外で雪を踏む足音で目覚めました。あまりに近くで足音がするので外を見てみると朝日待ちの人が立っていました。おはようございますと挨拶するとタイの方でした。
時計を見たら午前4時を過ぎたころ。まだ日の出まで20分ほどです。
とりあえず目覚めのコーヒーを淹れます。
4時半過ぎ。日が昇ってきました。
何と美しい雲海でしょうか。
雪の壁にも朝日が当たって美しい。
燕山荘に泊まってる人も日の出を迎えるために大勢外に出て来ます。
ゆっくり淡い朝日色に染まっていく雲海。
雪の上のテントからその絶景をコーヒー片手に鑑賞します。なんとも贅沢な時間です。
この光景を見たかったわけですがほんとに来て良かった。
雲海と反対側。槍ヶ岳や黒部五郎、双六岳、鷲羽岳など錚々たる北アルプスのオールスターも朝日に染まっていきます。
テン場目の前の燕岳も。
朝飯食べますよ。
5時半。ラジオから聞こえてきた予報では午前中いっぱいは雨は降らないとのこと。ラッキー!
食後のコーヒー。
荷揚げのヘリ。
今日は表銀座を歩いて大天井岳(おてんしょだけ)2922mまでピストンして来ます。
テント内をある程度整理したら出発です。
燕山荘から表銀座縦走路を見渡します。奥にある大きな山が大天井岳2922mです。コースタイム片道三時間ほどです。
しばらく歩いて振り返って燕山荘を眺めます。
鎖場。
イワウメ
サブザックなので身軽です。
喜作新道のレリーフ。
もう一息で大天荘。
雲海がだんだん上がってきます。
大天井岳ふもとにある山荘の大天荘テン場です。
ここは穂高の特等席ですね。今度来よう。
ここも立派な山荘です。同じ燕山荘グループ運営です。有明荘も燕山荘グループ。全部良いところですね。
登頂!
なぜか二十五円。
無事の下山をお祈りします。
いつかあそこからブナ立尾根を登って烏帽子岳の池のほとりのテン場でキャンプしたいです。あそこも絶景キャンプが期待できるようです。
以上、今回の山旅はここまでです。最後まで読んで頂きありがとうございます!
「トレックライズ1と燕岳」
笠ヶ岳ブルーと平湯キャンプ
今年も平湯キャンプ場へ行って参りました。その様子をかいつまんで記事にしてみたいと思います。
何度もお邪魔してるこの赤い建物。なんかホッとします。受付を済ませていざサイトへgo!
ネコノメソウみたいなのがいっぱい咲いてました。
笠ヶ岳ビューな北側のサイトにddハンモックを設置しました。雪の笠ヶ岳を見ながらキャンプできるってのが平湯キャンプ場の好きなポイントの一つです。今年は快晴の青空バックでさらに贅沢な眺めです。
ddハンモックにddタープです。ハンモック掛けやすそうな木の配置を見ながらサイトを回るのも楽しいですよね。
北側の車一台分くらいの樹間を探してここにしました。前方方向にも丁度良い木があってタープを跳ね上げるのに助かりました。
設営完了後にひとっ風呂。
今年もやって参りました。
やっぱりここは最高です。源泉掛け流し。熱いときもあれば温いときもある。今日は珍しく適温でした。
サイトに戻って焚き火スタート。
タークで焼くだけの手抜き料理です。
焚き火したくてキャンプしに来てるので料理なんて適当でいいんです…。
今夜は大好きなリースリング。爽やかな酸味が最高に美味い白です。
ダウンロードしてきた映画を鑑賞。
こうして夜も更けていきました…。
朝。
鳥のさえずりに包まれて目が覚めました。
笠ヶ岳ブルーの朝。
今朝も爽快なお天気です。
こじんまりとした一人キャンプのレイアウト。時に屋根、時にテントに化ける。ddタープ最高!
薪割りは二度身体を温めるとはよく言ったものです。すでに暑い…。
小割りにしていきました。
さらにフェザーに。
朝の焚き火の準備完了です。
トランギアちゃんでお湯を沸かしまする。
今朝はロイヤルミルクティー。
12個だからダースです。(古っ!)
10時半過ぎに早目の昼メシ。
なんちゃって高山らーめん。正直しょっぱい。
11時。そろそろ撤収始めましょうか。
今回も平湯キャンプは楽しかった!
笠ヶ岳ブルーも満喫できました!
撤収完了です!
帰りに旅の安全祈願。平湯神社にお参りです。
からんからーんと鳴らしてお賽銭入れて来ました。帰路の無事を祈ります。
と、言うわけでまたブログでお会いしましょう!YouTubeチャンネルも今後とも宜しく御願い申し上げます。