同業キャンプからの大日ヶ岳縦走
雨の中休みとなった3連休のひるがの高原キャンプ場。受付の話ではこの日はおよそ150組が宿泊とのこと。小さな街灯りのような景色。
今年4回目のひるがの高原はとても賑やかな雰囲気に包まれていた。
今夜は地元仲間のN氏とキャンプ。N氏は僕と同業の楽器製作業。彼は名古屋の鈴木バイオリンから独立して今はギター製作者。近所の中華料理店などで呑んだりはしているがたまには外でということで秋のひるがの高原に連れ出した。
外でじゅうじゅうと焼く豚串。そりゃ旨いに決まってる。
ユニセラは何を焼いても最高だ。
夜は更けていく。お互い仕事の話なんぞ一切持ち出すことなくファイアボックスの小さな焚き火を真ん中に据えて互いに火を弄りながらちびちびと酒を呑んで過ごした。
気温14度でひるがの高原の夜はおでんが旨くなる季節になって来た。
こっちはウクレレ、N氏はギター。
同じ岐阜の同じ町。こんなど田舎でこんなにも儲からない稼業をしているやつが二人…。
地味に続けて行ける程度。決して儲からない。ロマンを仕事にすることの現実。それもありか。
しかし毎月決まって25日に給料が振り込まれていた事…その有り難みを自営に転じた当初はつくづく感じた。
会社の愚痴をこぼすのも甘えられる相手あっての事だと思い知った30代半ば。前厄年を迎えた今になってしみじみと無謀な過去を振り返るのも秋キャンプの醍醐味かも知れない…。
互いのテントに分かれて一人シュラフにくるまりながら取り止めとなく仕事のことを考えてしまった。
せっかく非日常のキャンプに来ているんだ。仕事のこと考えるのはやめて寝よう。
いつもより早めの23時にたねほおずきの灯りを落とした。
朝6時。
今朝も秋雨の時期にラッキーな晴れ間が続く。
目玉焼きを作った。
昨夜の残りの厚切りベーコンと目玉焼き、スライスチーズを挟んだ。横着な自分にはホットサンドは手軽に旨くてもってこいなモーニングメニューだ。
卵スープを添えて頂いた。
朝8時過ぎにキャンプ場を発った。まずは自分の車を大日ヶ岳水道山登山口に置きに行った。
そのままN氏の車に乗せてもらい、高鷲町のウィングヒルズにある桧峠登山口まで送ってもらった。
N氏は一足先に美濃加茂に帰った。
登山口で標高900mちょっと。9/22は紅葉にはまだ早い。桧峠登山口から登るとまずはウィングヒルズからのロープウェイ山頂駅を目指して自力で登る。
※写真は借り物です!
ゴンドラ山頂駅からは標高1550mちょっとの水後山を目指す。ここから少し上がると爽快な稜線歩きを楽しみながら標高1650mちょっとの鎌ヶ峰へ。その先に主峰1709mの大日ヶ岳の頂きへ。
※写真は借り物です!
大日ヶ岳山頂から一服平方面へ下山路を取り、水道山登山口に向けて歩き通す全長11キロのプチ日帰り縦走。水道山登山口はひるがの高原キャンプ場寄りにある。ウィングヒルズからひるがの高原側まで歩くことになる。
※写真は借り物です!
通常、大日ヶ岳登山は図のように各コースごとに大日ヶ岳山頂を目指す。片道7キロの健脚コースであるAコースをピストンすれば往復14キロにもなる。N氏が送ってくれたがためにCコースからAコースまでを踏破する、Aコースピストンよりも短い11キロの贅沢な縦走路ができた。ウィングヒルズにもキャンプ場がある。ウィングヒルズで幕営してロープウェイで一気に標高1200m付近まで詰めてピストンして満天の湯で汗を流すのが一番爽快であることは間違いない。Cコースは爽快な稜線歩きを経て大日ヶ岳山頂を折り返す。Aコースは途中少しだけ展望が開けるが山頂手前までほとんど森の中の急坂かつ距離も長い。大日ヶ岳登山のメインコースはやはりウィングヒルズ側だろう。アルペングループ、うまいところにリゾート施設を作ったもんだ。
※写真は借り物です!
無事の下山を祈ってN氏はにこやかに手を振って去って行った。水道山登山口に車を置いた以上はもう向こう側まで踏破しなければいけない。予定下山時間は16時前。
鬱蒼とした森からの歩き始め。途中で進行方向左手の森の切れ間にウィングヒルズキャンプ場のテントがちらほらと見えた。時間は9時40分。ぼちぼち撤収し始めるファミリーの掛け声も聞こえた。
歩き始めて30分。プロトレックの計測で標高1180m。進行方向にロープウェイ山頂駅が見えてきた。勾配はかなりキツい。
プロトレックが1200mを越えたころようやくロープウェイ山頂駅が近づいた。
あと一息。
桧峠登山口から50分ちょっとでロープウェイ山頂駅到着。ここの駅に自販機やトイレはないので当てにしてはいけない。水は多めに持参。
白鳥方面の眺め。
水分補給をして出発。
山頂駅から水後山を経て鎌ヶ峰へ。
あとひと月後に来ればきっと紅葉に染まるこの景色が期待できるんじゃないだろうか。この景色の爽快さも素晴らしい。
鎌ヶ峰到着。ここに上がる直前の急登はなかなかのものだった。
鎌ヶ峰を経てもさらに稜線歩きは続く。次はいよいよ主峰大日ヶ岳山頂を目指して歩く。
霊峰大日ヶ岳山頂。ここで昼食にした。
ここまで汗をかなりかいて消失した塩分を補給。
水道山登山口に向けて再び歩いた。
山頂までの稜線歩きから森の中へ。
ふと足元を見ると可愛らしい花に出会えた。
展望が開ける箇所に出た。
再び森。樹齢何年だかわからない立派な木ばかりに思わず立ち止まった。
プロトレックの計測で標高1100m地点。1700mの山頂から600m降りてきた。水道山登山口が950mちょっとだとすればもう一息だ。カロリーメイトでエネルギー補給してラストスパート。
午後15時45分。水道山登山口に到着。
大日ヶ岳山頂からここまでの下りは急坂が多く足に応えた。
昨日キャンプで自堕落に呑み食いして摂取したカロリーの何パーセントかは消費できただろうか。とにかく無事に下山できたことは良かった。
最後まで読んで頂き、感謝です。ありがとうございました!また投稿の折にはどうぞよろしくお願い申し上げます。